香典をもらった時のお礼はどうすればいい?香典返しの相場と品物の選び方
更新:2026.09.27
香典をもらったら、お返しが必要です。これを「香典返し」と呼びます。
この記事では、香典返しの基本的なマナーから品物の選び方、お礼状の文例、相手の住所が分からない場合の対処法まで、状況に応じたポイントを整理します。
目次
香典をもらったときのお礼は品物とお礼状が基本
香典をもらったら、お返しをするのが一般的です。
これを「香典返し」と呼んでいます。お返しの方法は、お礼の品にお礼状を添えて、相手の自宅に送るという丁寧なものです。
地域によっては葬儀のときにあらかじめ香典返しを用意しておき、香典と引き換えに香典返しを渡します(即返し)。
そうすれば、後で自宅へ品物を発送する手間が省けます。※
しかし、親族だけの家族葬が増えた現在では、葬儀が終わった後に知人から香典を渡されるというケースも少なくないでしょう。
そういう場合は、香典返しとして品物とお礼状を手配し、後日発送したり、直接手渡したりしてお礼の気持ちを伝えます。
※相手からいただいた香典の金額が高額な場合は、後日、追加の香典返しを送ることがあります。
LINEやSNSで香典のお礼を伝えてはダメ?
LINEやSNSでつながっている相手から香典を受け取ると、LINEなどでお礼の言葉を伝えたいと考える人もいるでしょう。
もちろん、ひとまずはLINEやSNSで感謝の言葉を伝えて構いません。
ただし、後日「お返し」として香典返しを送るようにしましょう。
どうしてもLINEやSNSでやりとりを完結させたい場合は、後に紹介するソーシャルギフトを、香典返しのマナーに添って利用するのがおすすめです。
香典返しは四十九日をめどに送るのがマナー
香典返しは、四十九日の法要が終わってから「おかげさまで無事、四十九日法要を終えました」というお礼状を添えて送るのが一般的なマナーです。
四十九日が終わるまでに、香典の数を確認し、品物の手配やお礼状の準備、発送リストの作成を進めておきます。
ただ、葬儀の簡便化が進んだ現在では、先に紹介した「即返し」が普及したこともあり、香典返しのタイミングは以前ほど厳密ではなくなっています。
例えば、相手と直接会う予定があるなら、それが四十九日より早いタイミングであっても、その日に合わせて香典返しを用意して構いません。
しかし、早めに香典返しを送ると、しきたりを重んじる方からは「早すぎる」と感じられることがあります。
特に年配の方へ送る場合は、四十九日後に合わせるほうが無難です。
香典返しの品物は「消え物」がよい
香典返しの品物は、「消え物」がよいとされています。
消え物とは、食べたり使ったりするとなくなるものです。
これには「不幸を残さない」「後に引きずらない」という価値観が反映されています。
とくに以下のような特徴を持つものが、香典返しとして重宝されます。
・日持ちする食品
お茶、クッキー、干菓子、調味料、海苔など
・「洗い流す」イメージを持つもの
石けん、ボディソープ、洗剤
・落ちた涙をぬぐうイメージを持つもの
ハンカチ、タオル
・相手に好みの品を選んでもらいやすいもの
カタログギフト
一方で、海老などおめでたい印象の強い品や、日持ちしない生菓子などは、弔事の返礼品としては避けられることが多いです。
香典返しの相場
香典返しの相場は、いただいた金額の3分の1から2分の1程度です。
一般会葬者の香典相場は5,000円ほどのため、2,000円~3,000円程度の品物が選ばれます。
親族からの香典金額は幅があり、それぞれに対していただいた金額の3分の1から2分の1を意識して品物を選びましょう。
ただ、かなり高額の香典をいただいた場合は、必ずしも金額に比例させる必要はありません。
弔事の返礼は「気持ちをお返しする」ことが目的であり、親族全員に同じ品を贈る方法も、広く受け入れられています。
香典返しのお礼状の書き方

香典返しの品物には、お礼状を添えます。
弔辞のお礼状には、以下のマナーがあります。
・句読点は使わない
「、」「。」を使いません。
・頭語と結語を入れる
「拝啓/敬具」「謹啓/謹白」などを使います。
・季節の挨拶を入れない
「拝啓」の後、「○○の候」などの挨拶文は入れません。
・重ね言葉を使わない
「ますます」「いよいよ」など、同じ語句を繰り返す言葉は使いません。
・便箋は一枚とする
重ねることをタブーとするため、便箋を1枚だけ使います。
お礼状の要素は以下の5点です。
1.葬儀に来てくれたことへのお礼
2.香典をいただいたことに対してのお礼
3.四十九日法要が終わったことの報告
4.香典返しを送ることの報告
5.結びの言葉
ただ、「葬儀に参列していない人から香典をもらった」
「四十九日法要は終わっていないけれど、香典返しを渡したい」など、さまざまな事情があるでしょう。
ケース別に、文例をご紹介します。
【相手が葬儀に参列してくれて、四十九日も済ませているときのお礼状】
拝啓
先般(続柄)(故人の俗名)儀 葬儀に際し
ご会葬くださり誠にありがとうございました
またご丁重なるご厚志を賜り深く御礼申し上げます
去る〇月〇日に無事に四十九日法要を相済ませましたことをご報告いたします
つきましては供養のしるしとして
心ばかりの品をお届けいたしますのでお納めください
略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月
喪主 〇〇〇〇
【葬儀に来なかった相手にも使えるお礼状(参列なし・香典のみ)】
拝啓
先般(続柄)(故人の俗名)永眠に際し
ご丁重なるご厚志を賜り誠にありがとうございました
生前の故人への温かいお心遣いに深く感謝申し上げます
去る〇月〇日に無事に四十九日法要を相済ませましたことをご報告いたします
つきましては供養のしるしとして
心ばかりの品をお届けいたしますのでお納めください
略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月
喪主 〇〇〇〇
【四十九日が終わっていない場合も使えるお礼状(法要前の返礼)】
拝啓
先般(続柄)(故人の俗名)儀 葬儀に際し
ご会葬くださり誠にありがとうございました
またご丁重なるご厚志を賜り深く御礼申し上げます
つきましては供養のしるしとして
心ばかりの品をお届けいたしますのでお納めください
略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月
喪主 〇〇〇〇
【どんな人にも使えるお礼状】
拝啓
先般(続柄)(故人の俗名)永眠に際し
ご丁重なるご厚志を賜り誠にありがとうございました
生前の故人への温かいお心遣いに家族一同深く感謝申し上げます
つきましては供養のしるしとして
心ばかりの品をお届けいたしますのでお納めください
略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月
喪主 〇〇〇〇
香典返しの手配先
香典返しの手配先には、次の3種類があります。
葬儀社
葬儀の際にお世話になった葬儀社へ「香典返しを手配したい」と連絡し、パンフレットをもらって品物を選びます。
お礼状も同時に発注できます。
インターネットの香典返し専門店
香典返しはネットで注文できます。
香典返し専門店を利用すれば、お礼状も同時に作成できたり、配送先リストを送ることで配送を代行してもらえたりします。
自分で品物を買い、お礼状を作る
菓子店などで品物を注文し、「香典返し用です」と伝えれば、黒白または黄白の結びきりの水引がプリントされ、表書きに「志」を入れた掛け紙をかけてもらえます。
お礼状はWordなどで作成した後、自宅のプリンターやコンビニのコピー機、ネット印刷サービスなどを使って印刷します。
香典をくれた人の住所が分からないときの解決法
香典返しを送りたいのに、相手の住所が分からないことがあります。
まずは、香典袋の裏面や、中包み(お札を入れる白い封筒)の裏面を確認してみましょう。住所が記載されている場合があります。
また、故人宛の年賀状や連絡先リストを見返すことで、手がかりが得られることもあります。
どうしても住所が分からなければ、相手に直接尋ねることも失礼にはあたりません。
弔事の場面では、確認の連絡を入れることはごく一般的です。
最近では住所が分からなくてもギフトが送れる、ソーシャルギフトサービスが増えてきています。
LINEやSNSのDM、メールなどで受取専用URLを送るだけで、プレゼントが贈れます。
相手はURLをクリックし、自分で受取先を入力します。
ソーシャルギフトサービスを利用する場合は、弔事用の包装に対応しているサイトを選ぶのがおすすめです。
黒白または黄白の結びきりの水引がプリントされ、表書きに「志」を入れた掛け紙を利用できるところが安心です。
また、お礼状を同封できるサービスが望ましいですが、難しい場合は、URLを送る際のメッセージ機能で挨拶文を添えましょう。
お礼の気持ちを伝えるのが一番のマナー
香典返しは、形式に沿いながらも、相手への感謝を伝えるためのものです。
品物や文面に迷うときは、無理に特別なことをしようとせず、基本の流れに沿って整えていけば十分です。
状況に合った方法で、落ち着いてお礼の気持ちを届けましょう。

この記事を書いた人
廣田 篤 広島自宅葬儀社 代表
葬儀業界23年、広島自宅葬儀社代表。厚生労働省認定技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。前職大手葬儀社では担当者として 1500 件、責任者として1万件以上の葬儀に携わる。実母の在宅介護をきっかけに広島自宅葬儀社を立ち上げて現在に至る。広島市内だけでなく瀬戸内海に浮かぶ島々から、山間部の世羅町、神石高原町まで広島県内あらゆる地域の葬儀事情に精通する広島の葬儀のプロ。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。













