お葬式で使う真珠のネックレスはどう選ぶ?年代別に解説

更新:2023.12.20

「お葬式には真珠のネックレスをつける」というイメージがある人も多いでしょう。

お葬式につけることのできるアクセサリーは、結婚指輪と真珠のみです。

とはいえ真珠であれば何でもよいわけではなく、いくつかのマナーがあります。

これからお葬式でつける真珠のネックレスを用意したいという人のために、真珠の選び方を年代別に解説します。

そもそも、お葬式でアクセサリーをつける必要はない

真珠のネックレスは、お葬式にどうしても必要なものではありません。

アクセサリーをつけずにお葬式に参列する人もたくさんいて、マナー違反にはあたりません。

よって、真珠のネックレスを持っていなくても、お葬式のために慌てて購入する必要はないことをまずは覚えておきましょう。

そもそも日本人の正装は長く和装でした。

和装の着こなしでは、ネックレスやイヤリングをつけないのが一般的です。

お葬式においても、喪服となる黒い着物にアクセサリーを合わせる習慣はありません。

お葬式の喪服がほぼ洋装となった現代においても、アクセサリーの着用は重視されておらず、真珠のネックレスはつけてもつけなくても構わないものです。

お葬式で身に着けるとしたら真珠のアクセサリーが基本

正装したとき首元に何もないのは寂しいと感じる人は、真珠のネックレスをつけましょう。

お葬式では、結婚指輪以外は真珠のアクセサリーだけが着用を許されています。

ネックレスに限らず、ピアスやイヤリングも着用可能です。

なぜほかのジュエリーではなく真珠なのかといえば、真珠の丸い珠が涙の粒を連想させるためです。

お葬式という悲しみの場にふさわしいジュエリーであるとされています。

お葬式に向いていない真珠もある

お葬式で真珠のアクセサリーをつけることは許されていますが、いくつかのタブーがあります。

基本的には華やかさを感じさせるものがマナー違反となります。

具体的には、以下のような真珠がNGです。

一粒真珠

一粒真珠は、ゴールドやシルバーのチェーンが見えてしまうため華やかな印象になってしまいます。

真珠が全体にぐるりと連なったネックレスを着用しましょう。

ロングネックレス

胸元まで届くようなロングネックレスは、カジュアル感や華やかさがあるためNGとされます。

お葬式で着用する真珠のネックレスは、襟元に沿うような長さが理想的です。

40センチ前後を目安にしましょう。

真珠が大きすぎるもの

7ミリから8ミリ程度の平均的な珠が理想的です。

8ミリ以上の大粒真珠は華やかかつカジュアルに見えてしまい、お葬式の場にふさわしくありません。

ゴールドやピンクなど華やかな色味の真珠

色がついている真珠の中でも、ゴールドやピンクといった華やかな色味の真珠はお葬式に向きません。

白やグレー、ブラックの真珠をつけます。

留め具の装飾が目立つもの

ネックレスの留め具の部分に装飾がついているものは、儀式で目立ってしまいます。

シンプルな金具のついたネックレスにしましょう。

2連以上のネックレス

お葬式でつける真珠のネックレスは必ず1連のものにしましょう。

2連以上のネックレスは「不幸が重なる」ことを連想させるため、お葬式ではNGとされています。

20代は白い真珠のネックレスを選ぶ

真珠のネックレス 見本

お葬式で着用する真珠の色味には、白、グレー、ブラックがありますが、20代なら白い真珠を選びます。

グレーやブラックの真珠は大人の女性が身に着けるものであり、20代では少し早いとされているためです。

購入するお店は、喪服が並ぶブラックフォーマル売り場が最も安心ですが、成人になりたての人には少し高価すぎると感じるかもしれません。

その場合は、カジュアルなアクセサリーショップで選んでも構いません。

5,000円以内で手に入るでしょう。

ただ、フォーマルな印象の真珠ばかりが売られているわけではないため、商品選びには十分に気をつけましょう。

コットンパールではなくスタンダードなパールのネックレスを選び、留め具が華やかすぎないかチェックが必要です。

30代は白かグレーの真珠を選ぶ

30代になれば、白のほかにグレーの真珠も使えます。

百貨店のブラックフォーマル売り場やジュエリーショップが質もよく安心ですが、あまりに値が張ると感じる場合はネットショップを利用しましょう。

予算は、百貨店やジュエリーショップなら10万円から30万円程度、通販なら1万円から3万円程度をみておきます。

パールは産地などにより値段が違い、こだわればこだわるほど値が張ります。

ただし値の張るものと安価なものの違いは、遠目からではさほど分かりません。

予算に応じて決めましょう。

通販を使うときは、ネックレスの長さや珠のミリ数に注意します。

長さは40センチ程度、珠は7~8ミリ程度のものを選び、また留め具が華やかでないかどうか確認するのが大事です。

40代以降は白、グレーのほかブラックパールもOK

40代以降になれば、白やグレーのほか、ブラックの真珠も使えます。

30代同様、カジュアルなアクセサリーショップではなくジュエリーショップや百貨店に足を運ぶのが安心です。

予算に合わないようならネットショップを使っても構いませんが、とくにブラックの真珠は、写真と実物ではかなり印象が違う可能性があります。

白やグレーではなくブラックの真珠を購入したい場合は、実店舗に足を運ぶことをお勧めします。

祖母や母親の形見としてブラックパールのネックレスを持っている人もいるでしょう。

形見のパールを着用するなら、念のため前もって状態を確認してください。

汚れがあれば磨き、留め具がしっかりはまるかどうかチェックします。

お葬式にふさわしい装いで、マナーを守った参列を

以上、お葬式でつける真珠のネックレスについて解説しました。

ジュエリーは高価なものですが、真珠のネックレスはシンプルなつくりなので、値段はピンからキリまであります。

時間があれば複数の店舗をまわったり、ネットショップをいくつか見てみたりして、予算に応じて決めましょう。

この記事を書いた人

奥山 晶子

葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。

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