直葬・火葬のみの選択を後悔するのはまだ早い、今からできること

更新:2022.07.21

「直葬・火葬のみを選択して後悔しないようにしましょう」とこれから葬儀をご検討の方へ向けた情報は巷に溢れていますが、実際に直葬・火葬のみを終えた方に役立つ情報は少ないと感じています。

この記事は、直葬・火葬のみを終え、その選択へ後悔の念がある方へ対してのものです。

なぜご家族に後悔させるような思いをさせてしまったのか、同業社へ思うところはありますが、少しでもご家族の気持ちが軽くなるように、そしてご家族が今からまだ出来ることを、心を込めて解説させていただきます。

後悔するのはまだ早いです。

直葬・火葬のみを行った方に共通している点

直葬・火葬のみと言っても、細かく言えば内容はさまざまです。

ご逝去後、直接斎場へ搬送され、火葬前に簡単なお別れを行って火葬という場合、火葬予約時間まで葬儀場へ安置し、時間が来たら斎場へ出発するという場合もあるでしょう。

自宅から出棺のみを行い、火葬だけを行う方法もあります。

共通しているのは、一般的な通夜式、葬儀告別式を省略した点、宗教色がなかった点だと思われます。

そのため直葬は、一般的なお葬式よりも簡素に映りやすく、人によっては寂しいと感じる場合もあります。

直葬の選択が後悔に至った理由はさまざま

その「簡素」や「寂しい」と感じられやすい直葬ですが、後で後悔に至った理由もさまざまです。

周囲の親族から直葬について嫌味や意見を言われた

直葬を行う判断を本人と家族の総意だったとしても、それを知らない周囲の方々は好き勝手なことを言われることは、実際にあります。

実際に口に出して本人に伝える方もいれば、本人の前では言わずに陰口を言う方もいらっしゃいます。

それが自身の耳に入って傷つく場合もあります。

生前に本人の意思を聞けていない

直葬を本人の意思を尊重して行った場合は、本人が望んでいたこととして受け止め、自己肯定感も得られます。

しかし本人の意思を確認できていなくて、残された家族だけで直葬をした場合、選択をした方々に「これで本当によかったのか」と気持ちが不安定になることもあります。

そのような気持ちの時に、直葬に対して批判的な言葉を聞くことになれば、気持ちは一気に後悔へと進む場合もあります。

直葬に対するイメージと実際に差があった

直葬を自分たちで選択したけれども、イメージと違っていた、もう少しお別れの時間があると思ったなど、ご自身の想像と違っていたと後悔することも人によってはあります。

葬儀社の私からすれば、これは防げる後悔と感じますので、葬儀社に対して残念な気持ちが募ります。

本当はしっかり送りたかった、だけどお金がなかった

金銭的事情で直葬をやむを得ず選択される方もいらっしゃいます。

ご家族にとっては今できる精一杯のお葬式だったかもしれません。

葬儀社がご家族の気持ちを汲むことができていればと思うと、残念でなりません。

私はこれも葬儀社が防げた後悔だと思います。

供養は始まったばかり、足らない自己肯定感を埋めましょう

後悔の念があるのは、周囲からの声や自身の迷いなどによるもので、亡くなったご本人から何かを言われたわけではありません。

お葬式の日は、どうだったでしょうか。

亡くなる前は、どうだったでしょう。

ずっと大切なご家族のために考え、不慣れなことにも頑張っていたのではないでしょうか。

奮闘する姿はご覧になっていたはずです。

最後の段取りをしてくれたのも、最後を側で見送ってくれたのはあなたです。

あなたに対してご本人が怒り心頭なわけがありません。

今、あなたに足らないのは自己肯定感です。

しっかり送ってあげたと自分自身が納得できる感情です。

お葬式は終わりましたが、まだ供養は終わっていません。

むしろ供養は始まったばかりです。

まだ間に合う、これから出来ること

これからできることをいくつかご紹介させていただきます。

読経を行ってもらうべきだったと後悔している場合

火葬のみを行い、読経がなかったことに後悔している場合は、これから読経をお願いしても決して手遅れではありません。

例えば、火葬を済ませてから葬儀を行うのが一般的な地域は、今も日本各地であります。

葬儀前に家族だけで火葬を済ませ、遺骨になってから葬儀を行う形で骨葬と言います。

同様にこれから宗教色を出した儀式を行うのも一つの方法です。

方法もいくつかありますのでご紹介させていただきます。

納骨時に読経をお願いする

納骨の日にお墓の前で読経をお願いする、あるいは納骨の前にお寺へより、読経をお願いするのも方法の一つです。

お布施はお気持ちで構いません。

1万円〜5万円の範囲で無理のない範囲で行えば良いと思います。

お付き合いのあるお寺がある方は、心情を素直に隠さず話してみてください。

そのほうがご理解いただける確率は高まります。

葬儀の時に依頼していないので連絡しづらいかもしれませんが、正直にお話するほうが良い方向へ向かいやすいです。

お付き合いのあるお寺がない方は、お墓を管理しているところ、葬儀を行った葬儀社などへ相談してみてください。

全くあてがなく、方法がないとお困りの場合は、私へご相談くださっても構いません。

納骨時に読経をお願いする方法は、家族だけで簡単に行いたい方にはおすすめです。

四十九日を行う

葬儀後に一般的に知られている法要として四十九日があります。

親族も招いて行う形が良ければ、四十九日法要を行うのも良いでしょう。

場所は自宅でも構いません。

自宅で行う場合の準備や手順については、下記の記事で紹介していますので、よかったらご覧ください。

自宅以外でもお寺で行う場合、ホテルで行う場合もあります。

ホテルで行うメリットは、駐車場が充分にあること、読経と食事が同じ場所で全てできることです。

デメリットは自宅やお寺で行う場合に比べて費用がかかる点です。

お寺にお墓がある場合は、お寺へ集合して読経、そのまま納骨の流れが便利です。

声をかけていない人がいると後悔している場合

葬儀当日に声をかけていないので、故人と親しい間柄の人の中にも、まだ故人の訃報を知らない人がいる。

心苦しく思っている場合は、亡くなったこと、葬儀を家族で済ませたことを伝え、合わせてその方々が故人へ思いが伝えられる場を作ることも方法の一つです。

会食の場を設ける

コロナ禍の現在では、大人数の会食はおすすめできませんが、時期を見て会食の場を設けるのも良いでしょう。

場所と日時を決めて連絡をします。

連絡方法は、案内状を郵送と無理にかしこまる必要もなく、電話やメール、LINEでも構いません。

葬儀同様に読経を予定していない場合は、会食の場を設けるのみで構いません。

思ったより簡素だったと後悔している場合

葬儀の華やかさ、豪華さ=家族の故人に対する思いではありません。

どんな立派な祭壇があるよりも、ご家族の愛情が感じられるほうが故人も嬉しいはずです。

葬儀で簡素だったと悔やむお気持ちが続いている場合は、これからの供養を日々行うことが故人にとって何よりも嬉しいものになるはずです。

後飾りを工夫する

葬儀当日に遺骨を安置する後飾り壇を葬儀社からいただいた方は、そのお飾りに工夫をしてみるのも一つです。

例えば、遺骨の周りに故人の好きだった花を置いてあげる。

思い出の写真をたくさん飾ってあげる、好きなお菓子、果物を飾ってあげる。

ビールが好きだった方は、ビールは欠かせないでしょう。

このように故人に喜んでもらえそうなものを用意して供える、そして定期的にお供え物は変えてあげましょう。

日々故人と向き合って対話する時間を持つことで、ゆっくりとお気持ちも軽くなっていくはずです。

葬儀社から後飾り壇をいただいていない場合は、葬儀社へ依頼すると購入できます。

小りんやローソク立て、線香などが欲しい方は、葬儀社へ依頼するか、近くの仏具屋、もしくはホームセンターでお買い求めいただけます。

後飾り壇でないといけないものではありません、家具の上などに場所を設ける方法もあります。

仏壇がなくても、後飾り壇がなくても構いません。

あなたと故人様が日々対話できる場所があれば良いのですから、なんでも構いません。

手元供養というコンパクトなスペースで供養する、新しい供養の形もあります。

興味のある方は、下記の記事も合わせてご覧ください。

最後に

葬儀は2〜3日で終了しますが、その後の供養はあなたの人生が続く限り、ずっと続いて行くものです。

どちらが長い時間になるのかは、明白です。

葬儀は一生に一度のこと、できれば悔いを残さないようにしたいのも人情です。

しかしもし悔いが残ったとしても、その後の時間のほうが長いので、挽回するチャンスはいくらでもあります。

火葬のみを選択した後悔を今も引きずっている方は、それだけ故人への愛情があった方、故人のことを考えていた方だと私は思っています。

どうかその故人へのお気持ちをずっとこれからも持ち続けてください。

忘れられることが一番悲しいことです。

日々忘れずに想うこと、「今日も頑張ってくるよ」と毎朝声をかけてから家を出る。

そんな何気ない日常が続くほうが故人にとって何よりも嬉しいものです。

この記事を書いた人

廣田 篤  広島自宅葬儀社 代表

葬儀業界20年、厚生労働省技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。大手冠婚葬祭互助会で通算1,500件の葬儀を担当。家族の在宅介護がきっかけで広島自宅葬儀社を設立。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。

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