家族葬の服装はどう選ぶ?身内だけの場合の服装マナー

更新:2026.02.07

「身内だけで静かに見送りたい」

「気を遣わせたくない」という想いから、規模を抑えた家族葬を選ぶ遺族が増えています。

なかには遺族だけなど、本当に身内だけの葬儀を希望するケースもあります。

「身内だけの葬儀なら、喪服でなくても良いのでは」という考えが頭をよぎる人もいるでしょう。

この記事では、家族葬にふさわしい服装の選び方や、身内だけの場合の柔軟な判断基準を、分かりやすくお伝えします。

家族葬の服装は「喪服が基本」ではあるものの、絶対ではない

葬儀に参列する服装としては喪服が基本であり、最も礼節を保ちやすい服装です。

規模の小さな家族葬であっても、喪服で参列するのが一般的なスタイルです。


しかし、参列者が身内だけであれば、喪服での葬儀にこだわる必要はあまりありません。

「礼節をもって対応する」すべき相手がいないためです。

よって、喪主の意向があり、遺族が納得しているのであれば、普段着に近い服装で参列して構わないと言えます。


どんなときに喪服以外で葬儀に参列できる?

「身内だけの葬儀であれば喪服以外でも構わない」と言われても、自分だけの判断で喪服以外の服装をするのは勇気が必要です。

参列者側と喪主側では、対応法も違います。

参列者側と喪主側に分けて、「喪服以外で葬儀に参列できるケース」を解説します。

参列者側:喪主から「平服でお越しください」と案内があったとき

遺族側から葬儀に呼ばれて参列する立場であれば、喪主から「平服でお越しください」と案内があったときだけ、喪服以外で参列できます。

「平服でお越しください」という案内がなければ、喪服で参列しなければなりません。

喪主や遺族からもらう葬儀案内を、よく確認してみましょう。

遺族側:「喪服は着ないようにしよう」と決め、参列者にも周知したとき

喪主を中心に遺族みんなが話し合い、「この葬儀では喪服は着ないようにしよう」と決めたときは、喪服以外で参列して構いません。

この場合、参列者全員に「平服でお越しください」と案内します。

このように、喪服以外で参列できるのは、遺族側、参列者側含め、その葬儀に参列する全員が喪服を着ない場合です。

喪服で参列する場合の服装マナー

ここでひとまず、喪服で参列しなければならない人のために、一般的な喪服のマナーをお伝えしておきましょう。

男性の喪服の基本

男性の喪服は「礼服売り場」や「ブラックフォーマル売り場」で売られているスーツ姿です。

黒く光沢のないスーツに黒いネクタイ、白無地のワイシャツを用意します。

ベルト、靴、靴下、カバンなどの小物は全て黒でまとめます。

女性の喪服の基本

女性の喪服は「礼服売り場」や「ブラックフォーマル売り場」で売られている、黒いワンピースとジャケットのアンサンブルです。

なかにはパンツスタイルの喪服もあるため、ワンピースが苦手な人は検討しましょう。

ストッキング、靴、バッグは黒で統一します。

葬儀における子どもの服装

学生は制服を着用します。制服がない場合は、黒やグレーといった落ち着いた色味の服を着用しましょう。

男の子は白いワイシャツかポロシャツに黒いズボンとジャケット、女の子は黒いワンピースなど、なるべく大人の喪服の雰囲気に近づけます。

喪服を着ないとき意識したいこと

喪服以外で参列する場合は、「平服」を着用します。

「平服」とは、普段着のことではありません。

基本的にはスーツか、それに準じた服装を指し、ジーンズやスウェットといったカジュアルな服装は当てはまりません。

「礼服ではないが、きちんとした服装」とイメージすれば良いでしょう。

なお、葬儀の場なので、落ち着いた色の服装を心がけます。

男性の平服

黒、紺、グレー、ブラウンといった落ち着いた色味のスーツに、同系色のネクタイを合わせます。

ワイシャツは白が基本で、ベルト、靴、靴下、カバンなどの小物を黒でまとめます。

黒い小物が手元になければ別の色でも構いませんが、派手な色味や装飾は避けましょう。

女性の平服

黒、紺、グレー、ブラウンといった落ち着いた色味のワンピースに、同系色か黒のジャケット、もしくはカーディガンを羽織ります。

パンツスタイルでも構いませんし、ビジネススーツを活用するのもいいでしょう。

ストッキング、靴、バッグは黒で統一します。

黒い小物が手元になければ別の色でも構いません。

ただ、派手な色味、パステルカラーなどの明るい配色は避けましょう。

子どもの服装

制服か、落ち着いた色味の私服を着用します。

男の子ならポロシャツかワイシャツにカーディガンやジャケットを羽織り、女の子はワンピースにカーディガンやボレロとします。

なるべく無地で、キャラクターなどの描かれていない服を選びましょう。

喪服? 平服? 迷ったときの判断基準

なかには、「喪服にするか平服にするか、決めかねている」と悩む遺族もいることでしょう。

もし迷ったときは、以下のような判断基準を設けてはいかがでしょうか。

高齢の参列者が多いため、平服にする

高齢化が進んだ日本では、葬儀に集まる人の年齢も高くなりがちです。

高齢の方にとって、喪服は体温調節しづらく、負担がかかる服装。

高齢の方の体をいたわることを理由に、平服とするのもいいでしょう。

猛暑、厳寒のため、平服にする

夏の暑い時期や、冬の寒さ厳しい折には、喪服の着用が原因で体調を崩す可能性があります。

参列者それぞれが体温調節しやすい平服であれば、安心して葬儀に参列できます。

故人がカジュアルな葬儀を望んでいたため、平服にする

「気の置けない人たちがリラックスできる葬儀を」

「厳粛な儀式は必要なく、お別れの手紙などで送ってほしい」など、故人がカジュアルな葬儀を希望していたときは、平服がふさわしいかもしれません。

平服にするとかえって服装に悩むため、喪服とする

既に喪服を購入している人からすれば、「喪服と言ってくれれば簡単。平服と言われたら、服装に迷ってしまう」と感じるかもしれません。

遺族みんなが素直な気持ちで話し合った結果、「やはり喪服で」と決めるのもいいでしょう。

参列者に「平服で」と呼びかけるのが負担だから、喪服とする

葬儀案内後に「平服で」と決めたら、改めて参列者に通知しなければなりません。

通知が負担になるという理由で、あえて喪服のままとするのもいいでしょう。

「平服で参列」と決めた遺族が心がけること

遺族がみんなで「この葬儀は平服とする」と決めたら、以下に注意しましょう。

平服の意向は参列者全員に伝える

平服の意向は、必ず参列者全員に伝えます。

伝え漏れがあり、一人だけ喪服で現れた、といったことのないよう気をつけましょう。

僧侶に意向を伝えておく

葬儀を行ってくれる僧侶には「このたびの葬儀は、遺族も参列者も、全員平服で参列します」と伝えておきます。

葬儀社から紹介された僧侶であれば、葬儀社を通じて伝えても構いません。

この記事を書いた人

奥山 晶子

葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。

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