四十九日の服装はどんなものがいい?男女別、季節別、子どもの服装も解説
更新:2025.11.25
四十九日の服装は、基本的には葬儀と同じで構いません。
ただ、「葬儀には出られなかったから、改めてどんな服装がいいか知りたい」という人もいるでしょう。
また、季節が進むと服装も変わり、「暑いときジャケットを脱いでもいい?」
「コートはどんなものでもいい?」と悩む人もいるかもしれません。
本記事では、男女別に四十九日の基本の服装を解説した後、季節別の注意点や妊婦さん、子どもの服装についてもご案内します。
四十九日における基本的な服装は「準喪服」

四十九日で着る喪服は、遺族、親族、一般会葬者を問わず、「準喪服」が基本です。
準喪服とは、衣料店や百貨店で販売されている、いわゆるブラックフォーマルのことです。
男性なら黒いスーツ、女性なら黒いワンピースに短めのジャケットを合わせたアンサンブルを指します。
みんなが葬儀で着用するような喪服が、「準喪服」であるということです。
「準喪服」に対応する言葉として、「正喪服」があります。
正喪服とは、最も正式な喪服のことであり、紋付の黒い着物や、黒いモーニングコートを指します。
この正喪服は、遺族など特に故人と縁の濃い親族が着るものとされています。
しかし最近では葬儀においても、法要においても、正喪服を着用する遺族は少数派となりました。
立場を問わず、準喪服を着るのが一般的です。
基本的には「葬儀に出たときの格好で、そのまま四十九日にも出られる」と言えます。
四十九日における男性の服装
四十九日における男性の基本的な服装は、黒いスーツです。
一概に「黒」といっても、黒いビジネススーツではなく、ブラックフォーマル売り場に売られている光沢のない礼服が基本です。
ただ、礼服は高価なものなので、社会人経験の浅い20代前半までは、黒いビジネススーツでも許されるとされています。
ワイシャツは白無地のものを選びましょう。
柄が入っているものや、襟先にボタンがついているボタンダウンシャツは避けます。
ネクタイは黒無地で、光沢のないものを選びましょう。
少しでも柄が入っているものは使えません。
ブラックフォーマル売り場で、一本買い求めておくのがおすすめです。
靴下、ベルト、靴、カバンといった小物も基本的に黒無地で、柄や色が入っておらず、金具が目立たないものを選びます。
ベルトのバックルも黒が理想的ですが、どうしても金具がついたものしかなく、金か銀かで迷うようなら銀の方が悪目立ちしません。靴も同様です。
男性が最も迷いがちなのは、カバンをどうするかでしょう。
男性が法要に持つのであれば黒いセカンドバッグが一般的ですが、持っていない人も多いと思われます。
そんなときは地味な印象のカバンであれば構いません。
カバンを持たず、胸ポケットに入る範囲の荷物で参列する男性も多くみられます。
四十九日における女性の服装
四十九日における女性の基本的な服装は、黒いワンピースに揃いのジャケットを合わせたブラックフォーマルです。
衣料店へ出向くと種類が複数あるため、どんなものを選べば良いか迷う人もいるでしょう。
迷ったら、まずは丈感をチェックしてください。
椅子に座ったり正座をしたりしたときに膝が出ないよう、長めの丈を選ぶのがマナーです。
ブラックフォーマル売り場には、一般的なスーツ型や、パンツスーツ型も販売されています。
ワンピース型の喪服がよりフォーマルとされていますが、とくに年長者はパンツスーツの方が安心と、購入する人も多くいます。
若い方のなかにも、スカートが苦手な方がいることでしょう。
そんなときは、パンツスーツを選んでも構いません。
スーツを選ぶ場合、ジャケットの中に着るのは白無地のブラウスか、白無地のワイシャツとします。
小物はすべて黒無地でまとめます。
ストッキングは肌色ではなく黒とし、バッグは布製が正式です。
黒い布で巻かれたハンドルバッグに、サブバッグとして黒無地のトートバッグを持参します。
パンプスは金具のついていないシンプルなものを用意しましょう。
喪服を購入したときに、小物も一揃いまとめて購入しておくのがおすすめです。
季節に応じた注意点
マナーを守りながら暑さ、寒さに対応するには、それなりの準備が必要です。
暑さ厳しい折と、寒さが辛いときに分けて、四十九日における服装の注意点を解説します。
夏における注意点
男女ともに、ジャケットを脱ぎ、手に持って参列しても構いません。
ジャケットを持参する際は、腕の日焼け止めなどが付着して白くならないよう、裏側を見せてたたみましょう。
ブラウスやワイシャツは半袖でもよいとされます。
ただ、ネクタイを外してよい葬儀はまだ見られません。
風通しの良い生地を使った、夏用のフォーマルウエアも売られています。
余裕がある場合は、検討してみましょう。
また、日傘や扇子を持参しても構いませんが、色は地味めのものを選ぶのが大事です。
冬における注意点
式場内では基本的なブラックフォーマルスタイルでいなければならないため、インナーを厚くして対応しましょう。
ストッキングは、極寒となる地域ではタイツでも良しとされます。
黒い膝掛けを持参するのもおすすめです。
豪雪地帯などでは、ブーツでの参列も仕方ないとされる地域があります。
金具のついていない黒いブーツが最もよいとされますが、なければブラウンやグレーなど、地味な印象のブーツを選びましょう。
アウターの生地や色味は、基本的にはそれほど気にしなくてもいいでしょう。
アウターを着て参列することはなく、通常は式場の外で脱いでしまうためです。
とはいえ納骨式など外での式典がある場合は、やはり落ち着いた色味や素材のアウターを選びましょう。
ウールの黒無地のコートが理想的です。
四十九日における妊婦の服装
妊婦は体調が変化しやすいため、無理して参列しなくても良いとされます。
少しでも不安なら辞退しましょう。
参列する場合は「略喪服」で構いません。
略喪服とは、急な不幸に駆けつけるときや通夜のときに着用する服装で、黒、ブラウン、グレーなど落ち着いた色合いのお出かけ着を指します。
お腹を圧迫しないよう、ゆったりとしたワンピースを選ぶのがおすすめです。
上着はジャケットの他、カーディガンでも構いません。
体を冷やさないよう、ストールや膝掛けを持参し、少しでも体調が悪くなったら無理をせず休みましょう。
四十九日における子どもの服装
四十九日では、子どもが18歳になるまでは、正装である制服を着用します。
制服がない場合は、なるべく見た目を大人の喪服に合わせます。
とはいえ、スーツやワンピースを新調する必要はありません。
手持ちの服の中で工夫しましょう。
男の子の場合
白いワイシャツに黒のスラックス、黒いジャケットが理想的ですが、手持ちになければなるべく理想型に近づけます。
黒、ブラウン、グレーなど落ち着いた色味の服を選び、キャラクターものは控えましょう。
音が出る靴、光る靴を避ければ、スニーカーでも構いません。
靴下は黒か白とします。
白い靴下は汚れていると目立つため、畳に座る場合は、できれば新調しましょう。
女の子の場合
黒いワンピースに黒いカーディガンやボレロが理想型。
なければなるべく地味めな色のワンピースを選び、タイツを履く場合は黒を選ぶと落ち着いた印象になります。
靴下は黒か白を選びましょう。
音や光が出る靴を避け、手持ちにあるようなら革靴を履きます。
光沢やリボン、ファーなどがついているものは控えましょう。
身だしなみが第一のマナー
以上のように、四十九日の服装は、基本的には葬儀と同様に準喪服を着用するのが一般的です。
男女別・季節別・子どもや妊婦の服装についても、それぞれの立場や状況に応じて、落ち着いた色味と形式を意識した装いを選びましょう。
ただ、服装自体がマナーに沿っていても、身だしなみが整っていなければ、良い印象を与えることはできません。
喪服が汚れていたり、かび臭かったり、飼い猫の毛が付着していたりしていませんか。
ワイシャツに折りじわがついていると、特に夏場はジャケットを脱ぐ機会があるので目立ちます。
靴下に穴が空いていたり、すり切れていたりすると、畳に上がる場合はかなり注目されてしまいます。
服装を整えると同時に、ヘアスタイルやメイクにも気を配り、身だしなみをチェックしてから式場へ向かいましょう。

この記事を書いた人
奥山 晶子
葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。













