葬儀が終わった報告はどうする?会社や友だち、メールなど文例紹介
更新:2024.10.10
最近、親族以外は基本的に葬儀へ招待しない家族葬が人気です。
家族葬を行った後は、親族以外の友人や会社の上司、故人の友人だった人などへ報告をする必要があります。
どんな報告内容が良いか迷う人のために、シチュエーションや立場別の文例をご紹介します。どうぞ参考にしてください。
現代では葬儀後の報告が大変
つい最近まで、葬儀の主流は一般葬でした。
一般葬とは、親族だけではなく故人や喪主の友人関係、会社関係、近隣など縁のあるすべての人を参列対象とする葬儀です。
一般葬は参列者への対応が大変な葬儀ですが、故人が亡くなったことの報告やお礼の挨拶が一度で済むというメリットがありました。
平成の後半に、親族が中心となる少人数の家族葬が注目を浴び、人気になり始めました。
人の集まる場を避けなければならなかったコロナ禍を経て、現代の葬儀はより少人数化しています。
家族葬は気の置けない親族のみが集まるため、遺族の精神的な負担が少ない葬儀です。
ただ、葬儀の場で一度にご挨拶できる人が少ないため、故人が亡くなったこと、葬儀を済ませたことを後で個別に報告せざるを得ません。
友人や会社関係などに、それぞれの立場の違いに配慮しながら言葉を選んで報告するのは大変なことです。
ぜひ、ここで紹介する例文をフォーマットとして利用し、葬儀後の忙しい時期を乗り越えてください。
どんな立場の人にも伝えるべき3つのこと
葬儀後の報告においては、必ず伝えるべき要素が4つあります。
・葬儀の期日と、滞りなく終了したこと
・連絡が遅くなったことへのお詫び
・感謝の気持ち
・近々、直接会って報告したい旨
4つの要素を意識すれば、失礼のない文面が作れます。電話での報告もスムーズに済ませられます。
友人への報告
友人への報告は、SNSで行う人も多いでしょう。
SNSの場合と、電話で行う場合に分けて例文をご紹介します。
【SNSの場合】
こんにちは。昨日、祖母の葬儀が無事に終わりました。
98歳の大往生でした。報告が遅くなってごめんなさい。
祖母が亡くなったことを知らせたときには、心のこもった言葉をありがとう。
今度、直接会ってお礼を言わせてください。
【電話の場合】
もしもし、今少しだけいいかな? 昨日、おばあちゃんの葬儀が終わりました。
バタバタしていて、報告が遅くなってごめんなさい。
亡くなった日に報告したときは、なぐさめてくれてありがとうね。
気持ちの支えになって、嬉しかったです。落ち着いたら、ぜひお茶に誘わせてね。
会社への報告
会社への報告は、なるべく葬儀が終わったその日に、まずは電話で行います。
忌引き休暇を取得するため采配してくれた上司などを呼び出し、上司がいなければ仕事上のリーダーや同僚など一緒に仕事をしているパートナーへ手短に伝言した後、上司にメールしましょう。
【電話の場合】
○○です。先ほど、母の葬儀が滞りなく終了しました。
仕事が大変な時期にお休みをいただいてしまい、誠に申し訳ありません。
引き続き○日まで忌引き休暇をいただきます。
ご調整いただき、本当にありがとうございます。
○日に出社しましたら、改めてお礼を申し上げます。
【メールの場合】
お疲れ様です。○○です。
おかげさまをもちまして、本日、母の葬儀が滞りなく執り行われたことをご報告申し上げます。
このたびは業務の繁忙期に多大なご迷惑をお掛けしてしまい、誠に申し訳ありません。
△△係長にはご調整に尽力いただき、誠に感謝申し上げます。
引き続き○日まで忌引き休暇をいただき、○日に出社したら改めて御礼申し上げます。
まずはご報告まで。
故人の友人への報告
故人の友人は、遺族が知り得ない絆で故人と結ばれていた人です。
特に親しくしていたのであれば、「葬儀に呼ばれなかった」と落ち込んでいる人もいるかもしれません。
余裕があれば、最後の様子や、故人がその人をいかに慕っていたかを表すエピソードを添えると、ご友人の気持ちに寄り添うことができるでしょう。
報告は、電話でもメールでも、知っている手段を使いましょう。
【電話の場合】
こんにちは。△△の娘の、○○と申します。
今、少しだけお話よろしいでしょうか。
(実は○日に、母が心不全で亡くなりました。)
昨日、母の葬儀が無事に終わったことをご報告したくて、お電話しました。
ご報告がとても遅くなってしまい、誠に申し訳ありません。
(電話先)さんが母と親しくしていたことを、生前の母から伺っております。
母の生前の希望で家族葬としたため、ご参列いただくことは叶いませんでしたが、生前のお付き合いに感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
もし今後、お目にかかれることがございましたら、改めてお礼申し上げたいです。
【メールの場合】
こんにちは。私は△△の娘、○○と申します。
(○月○日、母が心不全にて亡くなりました。)
昨日、母の葬儀が家族葬にて執り行われましたことを、ここにご報告申し上げます。
ご報告が遅くなってしまったことをお許しください。
故人の生前の希望により家族葬としたため、ご参列いただくことが叶いませんでした。
生前のご厚誼に厚く感謝申し上げます。
母は亡くなる数日前まで元気で、いつも通り庭の手入れなどをしていましたが、突然気分が悪いと倒れ、そのまま帰らぬ人となりました。
いつも微笑みをたたえている、優しい母でした。
今後、もしお目にかかることができましたら、母の思い出話などさせてください。
まずは書面にて、ご報告申し上げます。
葬儀に参列しなかった親族への報告
家族葬としたものの、遠方だったり高齢だったりして、参列が叶わなかった親族もいるでしょう。
本来であれば葬儀に参列するはずだった方として、真っ先に報告しなければなりません。
葬儀当日、できれば電話で、相手が電話に出ない場合はメールやSNSでひとまずの報告をしましょう。
【電話の場合】
こんにちは。□□の長男の○○です。
さきほど、父の葬儀が滞りなく終了しました。
本来であれば葬儀が終わってすぐにご報告申し上げるべきところ、バタバタしており、ご報告が遅れてしまい申し訳ありません。
このたびはご参列が叶いませんでしたが、菩提寺のご住職様にしっかり送っていただき、家族ともども安心しております。
(相手方)さんには、生前本当にお世話になり、ありがとうございました。
今後も、納骨や四十九日法要のご報告などさせていただきたいと考えております。
変わらぬお付き合いを、どうぞよろしくお願いします。
【メールやSNSの場合】
こんにちは。□□の長男の○○です。
先ほど父の葬儀が滞りなく終了しました。
ご報告が遅くなり申し訳ありません。
菩提寺のご住職のお導きでお送りいただき、参列者一同安心いたしました。
(相手方)さんには生前本当にお世話になり、お礼の言葉もありません。
また改めてお電話させてください。
まずはご報告まで。
お付き合いを続ける意向を示すのがポイント
葬儀の報告は、忙しい中ということもあり、手短になってしまいがちです。
SNSであればなおさらのこと、文章の短さに「何か物足りない」
「冷たいと感じられてしまうのでは」と悩む人もいるでしょう。
そこで最後に「次にお目にかかったとき、改めてお礼を」と、文面や電話での挨拶が略式であることを強調するのがポイントです。
お付き合いを続ける意向を示すことにもなり、好印象なまま締めることができます。
ぜひ、試してみてください。
この記事を書いた人
奥山 晶子
葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。