遠方で亡くなった場合|葬儀の手配と遺体長距離搬送・空輸方法

家族が単身赴任先や旅行先で亡くなってしまった。

あまりにも予期せぬ出来事で気が動転してしまいます。

土地勘のない場所へ急いで駆けつけます。

普段と変わらない周囲の様子が目に入れば、自分達だけが悲劇に見舞われていると孤独を感じます。

その後の段取りも頼る人がいなく不安はつきまといます。

この記事ではそのような事になってしまった場合の対処方法を解説させていただきます。

お役に立てますと幸いです。

まず葬儀を行う葬儀社を決める

おそらくネット上では、「まずお近くの搬送業者を手配しましょう。料金も安く時間的にも早いです」と書かれているかもしれません。

しかし葬儀業界で20年経験を積んだ私はそのように思いません。

これまで遠方でご家族が亡くなった方のお手伝いをさせていただいたことは何度もありますが、経験上まず行うことは、故郷に帰った時に、お世話になる葬儀社を決めることです。

真っ先にどこの葬儀社へ葬儀を依頼するかを決める理由

亡くなった家族を故郷へ連れて帰る手段を考えるよりも、どこの葬儀社に頼むかを先に選んだほうがいい理由は、単純明快です。

ご家族は、「遠方で亡くなった家族を故郷へ連れて帰り、故郷で葬儀をしてあげたい」というのが一番の思いではないでしょうか。

故郷でご家族様からご用命いただいた葬儀社は、連絡を下さったご家族が無事に故郷へ戻り、無事に葬儀を終えられることを一番の使命と感じて励みます。

双方の思いが似通っていることがお分かりいただけるでしょうか?

だから不安な家族にとって一番心強い頼りになる存在が出来るのです。

頼りになる存在をまず作りましょうということです。

故郷の葬儀社は親身に寄り添ってくれる

故郷の葬儀社は、遠方で家族が亡くなった状況を知り、少しでも力になりたいとあらゆる知恵を授けてくださるはずです。

その現在いる場所付近の搬送業者の手配もしてくれるかもしれませんし、交渉が必要なことがあれば、間に入って行ってくれるでしょう。

故郷へ戻ってから葬儀社のお手伝いが始まるのではなく、お電話をいただいてから既にお手伝いは始まっています。

搬送業者は故郷へ連れて帰るまでが業務

近くの搬送業者は、故郷へ送り届けるまでが業務で、例えるとタクシーに似ています。

道中のことは親身に考えてくださるでしょうが、乗客が下車した後の、その後のことまでは親身に考えてくださるでしょうか、あまり期待はできません。

一方で、ご家族の置かれた状況、時間的なスケジュールも全て把握していれば、ご家族があまり睡眠を取れていないこと、移動にかかった時間のこと、これまで行ったこと、全てわかってもらえた上で葬儀を段取りしてくれる葬儀社は心強く感じるはずです。

葬儀を行う葬儀社へ連絡する

故郷の葬儀社へ連絡

どこで葬儀を行うか、故郷の葬儀社が決まったら、連絡をして今の状況を伝えましょう。

お伝えする点はわかる範囲で結構です。

・現在ご家族がいる場所

・お亡くなりになった方がいる場所

・お亡くなりになった方のお名前、住所

・ご家族のお名前、連絡先(携帯電話)

・現在の状況

・故郷の葬儀社と相談して決めていくこと

故郷の葬儀社とこれから決めていくこと

下記は葬儀社と決めていくことですが、一度のお電話で全てを決めるわけではありません。

順番に一つ一つ課題を故郷の葬儀社と一緒にクリアしていく、そんなイメージでご覧いただければと思います。

・故郷へ連れて帰る手段

・故郷へ連れて帰るのは、どこの業者が行うか

・いつ現地を出発するのか

・故郷へいつ頃戻るのか

・ご希望の場合、葬儀の日時も決める

陸路で長距離搬送する

遠方で亡くなった家族を連れて帰る方法をこれからはご紹介していきます。

まず陸路、寝台霊柩車で長距離搬送する方法です。

こちらの場合は、業者の車両が出発する車庫→お迎え場所→ご安置場所までの距離で料金が決まる為、故郷の葬儀社が対応する場合は、故郷と現地の2往復分の料金がかかります。

したがって遠方の場合、近くの搬送業者へ依頼する場合が多いです。

ご家族にとって到着を待つ時間が少なくなるメリットもあります。

陸路で長距離搬送の注意点

距離によっては高額になる

遠方すぎる場合、距離によってどんどんメーターが上がってしまい料金が高額になることもあるのがデメリットです。

深夜に長距離搬送を対応してくれる所は少ない

また深夜夜間(夜22時以降)に発生した場合、深夜に遠方まで長距離搬送してくれる業者はあまりありません。

夜間は限られたスタッフで運営している為、遠方まで出て行ってしまうとその他の業務が対応できなくなる恐れがあるためと思われます。

ですから翌朝に故郷へ向けて出発という形が多いです。

一旦どこかで過ごし、翌朝を待つことも

深夜の場合、その間はお亡くなりになられた場所でそのまま朝まで過ごさせていただく場合、搬送してくれる業者の施設で一旦ご安置させていただく場合があります。

業者によって料金が異なる

料金体系に一定の基準はあるのですが、若干の幅があります。その範囲内で各社料金を設定しているため、業者によっては高額になるケースもあるので注意が必要です。

近距離であればその差も気にならないレベルなのですが、長距離となれば数万円の差に膨らむのです。

高額なのかどうかの判断は、ご家族だけでは行えないため、先述したように先に故郷の葬儀社を決めておく事がおすすめです。

故郷の葬儀社へ判断していただきましょう。

飛行機で空輸する

飛行機で空輸する方法もあります。

長距離になればなるほどこちらの方が金額的に安くなります。

東京から広島であれば空輸をお勧めします。

空輸の場合、お亡くなりになられた方を棺に納棺した状態で空輸する為、貨物扱いとなります。(通常の貨物よりも丁寧に扱ってくれます)

手順としては、飛行機の予約をして、飛行場まで現地の業者へ連れて行っていただきます。

故郷へ到着時間を故郷で待つ葬儀社へ伝え、飛行場で待機していただきます。

故郷へ着いたら、飛行場から今度は故郷の葬儀社に搬送していただきご安置となります。

空輸搬送の注意点

一緒に帰る家族の航空チケット代も必要になる

空輸自体の手続き自体は難しくありません。

時間を予約して決められた時間に到着すれば、空港職員が行ってくれます。

注意すべきは、故人だけでなく一緒に帰るご家族分の航空チケットも必要になることです。

3名で現地へ向かったのであれば、その分の航空チケット代が必要です。

飛行機チケットは当日取りづらい場合、割高な場合もある

飛行機は前もって予約している方が多く、当日の状況によってはチケットが取りづらい事もあります。当日に購入する場合は、割高な面もありますので注意が必要です。

空輸するために必要な棺の代金が発生する

もう一つが、棺に納棺して空輸を行うため、棺を購入しなければなりません。

飛行場までの搬送代+飛行機の貨物運賃+家族の航空チケット代+棺代が必要になります。

その為、本来安価なのですが、近距離の場合は陸路のほうが安く収まる場合もあるのです。

陸路同様に深夜対応はできない

また、こちらも深夜の夜間空輸は行えません。日中に対応となるでしょう。

深夜の場合は、陸路同様に一旦翌朝まで待つ必要があります。

故郷まで直行便があるとは限らない

例えば広島県の場合、空港から直行便で行けるのは、羽田空港、仙台空港、新千歳空港、沖縄空港などに限られます。場所によっては、どこかの空港を乗り継いで空輸を行う必要があります。

現地で火葬をして遺骨と共に帰る

3つ目の選択肢として、現地で火葬して遺骨になった状態で故郷へ帰るという方法です。

元々火葬をしてから、後で葬儀を行う地域であれば、抵抗はないでしょう。

しかし多くの地域では、葬儀を終えてから火葬が主です。

広島の場合も葬儀を終えてから火葬の地域なので、あまりお勧めできません。

現地で火葬、遺骨と共に帰る場合の注意点

一番安価に故郷へ連れて帰られる方法に見えるかもしれません。

確かに連れて帰るのに寝台霊柩車も貨物運賃も必要ありません。ただし今度は、現地で火葬を終えるまでの料金がかかってしまいます。

不慣れな土地で火葬を行う精神的負担も加わります。

そして遺骨になって故郷に戻って、また親族や周囲のために葬儀を行う場合は、かなりの出費が予想されます。

判断ポイント 搬送にかかる料金

結論から言えば、ご家族が1名で遠方にいらっしゃるのなら、飛行機で空輸が一番安く済む可能性が極めて高いです。直行便があれば活用しましょう。

すでに自家用車で現地へ向かわれていた場合は、帰りも自家用車でお帰りになるはずなので陸路搬送にしましょう。飛行機の場合は、付き添いが必要になります。

自家用車で現地へ向かわれていても、ご家族が2名以上でいらっしゃる場合は、一人が付き添い、一人が自家用車の運転と手分けして、空輸も選択肢に入れましょう。

参考までに料金を下記に添付します。

陸路の搬送料金

距離搬送料金高速道路その他合計
広島〜博多2029.6~11万7,550円2.5万12.8~14.2万
広島〜大阪28211~15万8,350円2.5万14.3~18.3万
広島〜名古屋51425~30万11,100円2.5万28.6~33.6万
広島〜東京67933~38万16,940円2.5万37.1~42.1万
広島〜仙台115855~60万226,00円2.5万59.7~64.7万

※その他には、ドライアイス、搬送用シーツが含まれています。

空輸を行う場合 故人の搬送にかかる費用

貨物運賃(80kg)棺代その他合計
広島〜東京33,915円35,000円25,000円93,915円
広島〜仙台47,505円35,000円25,000円107,505円
広島〜札幌60,187円35,000円25,000円120,187円
広島〜沖縄43,380円35,000円25,000円103,380円

※その他費用にドライアイス、搬送シーツが含まれています。

空輸を行う場合 その他にかかる費用

空輸を行う場合、運賃だけでなく、この他にご家族の航空チケット代が必要になります。

その他にもお亡くなりになられた場所〜空港までの搬送料金そして空港〜故郷の安置場所までの搬送料金が必要になります。

まとめると下記の表になります。

同乗者運賃搬送(現地〜空港)搬送(空港〜現地)合計
広島〜東京3~4万2~3万2~3万7~10万
広島〜仙台4~5万2~3万2~3万8~11万
広島〜札幌5~7万2~3万2~3万9~13万
広島〜沖縄4~5万2~3万2~3万8~11万

空輸を行う場合 合計費用

故人にかかる費用その他にかかる費用総合計
広島〜東京93,915円7~10万16.3~19.3万
広島〜仙台107,505円8~11万18.7~21.7万
広島〜札幌120,187円9~13万21.0~25.0万
広島〜沖縄103,380円8~11万18.3~21.3万

陸路と空輸の料金を比較

これまでをおさらいして比較してみたいと思います。

下記をご覧ください。

広島〜博多陸路12.8~14.2万
広島〜大阪陸路14.3~18.3万
広島〜名古屋陸路28.6~33.6万
広島〜東京陸路37.1~42.1万
広島〜仙台陸路59.7~64.7万
広島〜東京空輸16.3~19.3万
広島〜仙台空輸18.7~21.7万
広島〜札幌空輸21.0~25.0万
広島〜沖縄空輸18.3~21.3万

※目安としてご覧ください。

※空輸の場合、付き添いご家族1名の航空チケット代、空港までの搬送料金なども含めた総合計です。

広島〜名古屋は514kmです。

この辺りになると陸路の料金も上がりますので、空輸を検討する必要があると言えます。

広島〜東京間になると空輸は、陸路搬送のおよそ半分の料金で可能になります。

故郷の葬儀社へ相談しながら進めましょう

方法を吟味して決まったら、故郷の葬儀社へ相談をしながら、現地の搬送業者を一緒に探しましょう。

現地の業者へは、ご家族から電話されても構いませんし、不安であれば葬儀社の方でも行ってくれるでしょう。

事情を先方へ説明して進めていきます。

現地の搬送業者への支払いに関しては、後日払いなのか、当日払いなのかも確認しておきましょう。

慌てて家を出ていること、事情を話せば後日払いに対応してくれるはずです。

ここから故郷に戻るまでの間は、現地の業者が中心に行いますので、故郷の葬儀社へは、向こうに到着する時間が決まったら時間を伝えて、スムーズに連携が取れるようにしておきましょう。

頼れる存在がいることで、自分は一人ではないときっと感じられるはずです。いつでも何かあれば故郷の葬儀社へ連絡をしましょう。

この記事を書いた人

廣田 篤  広島自宅葬儀社 代表

葬儀業界20年、厚生労働省技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。大手冠婚葬祭互助会で通算1500件の葬儀を担当。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。

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