家族葬の喪主挨拶の例文をご紹介、伝えるべきポイントと注意点

更新:2023.03.19

お葬式では、通夜や葬儀、会食など、さまざまなシーンで喪主の挨拶が必要になります。

親族以外にたくさんの人が集まる一般葬と、親族中心の小さな葬儀である家族葬とでは、ふさわしい喪主挨拶が違うことをご存じでしょうか。

家族葬の喪主挨拶に関する注意点を解説し、実際に使うことができる挨拶の例文をご紹介します。

喪主挨拶とは

喪主の挨拶イメージ

喪主挨拶とは、葬儀の喪主となる人が、さまざまなシーンで参列者への感謝を表し、今後の進行などを案内することです。挨拶が必要なシーンには、以下の4つがあります。

■通夜:通夜式の後、通夜振る舞いへの誘導として。

■葬儀:葬儀の最後、参列してくれた方への感謝の言葉として。

■出棺:葬儀場から火葬場へ向けて出発するとき。

■精進落とし:葬儀後の会食における、始まりと終わりの合図として。

挨拶が必要なタイミングは地域によってさまざまですが、この記事では、以上の4つのシーンについて、とくに家族葬の場合にふさわしい挨拶を解説していきます。

家族葬とは

ここで、家族葬とは何かについて確認しておきましょう。家族葬とは、親族を中心として行なわれる葬儀のことです。

一昔前は、葬儀といえば親族の他に喪主や個人の会社関係、友人関係、近隣の人々が参列するのが一般的でした。

遺族は愛する人を亡くした悲しみに暮れる間もなく、訪れる人々をもてなし、感謝の意を表するのに多大な時間を費やしていたことになります。

そのような時間を過ごすうちに火葬の時間が迫ってきて、遺族は故人にしっかり最後のお別れをすることができないというケースがとても多かったのです。

「遺族に、しっかりお別れの時間を」という観点から広まったのが家族葬です。

家族葬は、親族や、とくに親しくしていた友人などの近親者だけで葬儀をします。

義理でつながっている他の関係者には、訃報に葬儀日程を入れず「葬儀は家族葬で執り行います」とだけ連絡します。

こうして、遺族が心置きなく故人との最後の時間をかみしめることができるのです。

家族葬が広まると、関係者が多く集まる昔ながらの葬儀は「一般葬」と呼ばれるようになりました。

故人とつながりのあった人みんなで見送る一般葬と、近親者が故人との別れに集中する家族葬。

現代では、故人の希望や家族の考えに合わせて、どちらを選ぶことも可能です。

しかし、近隣の人々との交流や、喪主の会社関係者が葬儀を手伝う文化がなくなってきた昨今では、家族葬を選ぶ人が増えてきています。

喪主挨拶で伝えるべき4要素

家族葬か否かにかかわらず、喪主挨拶には、伝えるべき4つの要素があります。

1.参列者への感謝の意

親族を代表する喪主として、また故人に成り代わって、集まってくれたことに感謝を述べます。

2.故人について触れる

「家族で集まるのが好きだった故人も喜んでいると思います」など、故人の人となりを交えた文章があると、温かな印象の挨拶になります。

3.集まってくれた方へ、「これからどうしてほしいか」を告げる

出棺のときなら「これから火葬場へ向かうため見送ってください」、会食の席なら「故人の思い出話をしながらお召し上がりください」など、喪主としての希望を伝えます。参列者らも、どう振る舞えばよいかが分かって安心します。

4.今後の案内をする

通夜式であれば「通夜振る舞いの席を設けております」、出棺時なら「これから●●火葬場へ向かい、荼毘に付された後、再びこの会場へ戻ってきます」など、今後の動きについて案内するのも、喪主挨拶の大事な役割です。

家族葬で行なう喪主挨拶の注意点

とくに家族葬で行なう喪主挨拶においては、以下の3つを意識しましょう。

1.参列者の構成によっては挨拶の要素や、挨拶自体が不要なシーンもある

集まってくれた人に感謝の意を述べるのは大事ですが、とくに遺族だけの葬儀では、挨拶する喪主もされる家族も違和感を覚えがちです。

一方で、少人数の葬儀であっても、配偶者側の親族など目上の人、遠方から駆けつけてくれた人などがいる場合には、感謝の挨拶が必要になります。

それぞれのシーンにおいて挨拶が必要なのか検討しましょう。

迷うようなら、葬儀社の担当者に尋ねるのがおすすめです。

2.近親者にしか分からない故人のエピソードを交える

せっかくの家族葬なので、挨拶には身内しか知らないような故人の思い出話をふんだんにとりいれましょう。葬儀全体が温かい印象になります。

3.「…してください」を「…しましょう」に

とくに近しい親族だけといった家族葬では、今後の行動を誘導する際に「…してください」ではなく「…しましょう」とまとめると、「家族みんなで作り上げる葬儀」のイメージを強めることができます。

例えば精進落としの席なら、一般葬では「故人の思い出を話しながらお召し上がりください」とするところを「故人の思い出を語り合いながら食事をしましょう」とするのです。

会場内の一体感が高まります。

家族葬で行なう喪主挨拶の文例

以上の点を踏まえ、家族葬で行なう喪主挨拶の文例を挙げます。

遺族のほか故人のきょうだいや配偶者の親族、喪主のきょうだい一家など「主な親族が集まる家族葬」を想定してご紹介します。

通夜の喪主挨拶

本日は、父の通夜にご参列いただき、誠にありがとうございます。

遺族の代表として、なお、父に成り代わりまして、感謝申し上げます。

父は○月○日、胸の痛みを訴えてそのまま救急搬送され、翌日帰らぬ人となりました。

心筋梗塞でした。突然の別れに家族の悲しみは癒えませんが、昨年には米寿の記念として食事の席を設け、皆様にも列席していただいたことが思い出されます。

賑やかな場が好きだった故人としても、嬉しかったのではないでしょうか。

このあと、別室にお食事の席を用意しております。

故人を偲びながら、共に食事をすることで、供養といたしましょう。

なお、明日の告別式は、○時より、同じここ○○会館の式場にて行ないます。ご列席をどうぞよろしくお願い申し上げます。

葬儀の喪主挨拶

通夜に引き続き、葬儀にもこうしてお集まりいただき、ありがとうございます。

皆様に温かく見守られ、父もさぞ喜んでいることと存じます。

今日は雨の予報でしたが、ご覧の通り、すっかり晴れ渡りました。

昔から親族の間で「晴れ男」と噂される父の、本領発揮といったところでしょう。

親族でピクニックをする日、釣りの日などは、決まって晴れだったことを思い浮かべてくださる方も多いのではないでしょうか。

父が充実した人生を送れたのも、ひとえに皆様のおかげと存じます。

故人に成り代わり、厚く感謝申し上げます。残された私たち家族にも変わらぬご厚誼を賜りますよう、お願い申し上げます。

本日は、誠にありがとうございました。

出棺の喪主挨拶

通夜、葬儀と滞りなく終了し、いよいよ出棺となりました。

この後、○時より、○○斎場にて荼毘に付されます。火葬の後、再びこの会場へ戻り、会食となります。

火葬に立ち会っていただける方は、バスへご乗車ください。

火葬が終わるまでこの会場でお待ちになる方は、係員の案内がありますまで、少々お待ちください。

それでは、行ってまいります。

精進落としの喪主挨拶(開始時)

本日は葬儀、火葬までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

ささやかではありますが、精進落としの席を設けました。

父の遺影とともに、思い出話を語り合いましょう。

まずは、献杯のご発声をいただきます。○○様、どうぞよろしくお願いします。

精進落としの喪主挨拶(終了時)

お話はつきませんが、お時間となりましたので、これにて精進落としを終了とさせていただきます。

本日は最後までご参加いただき、本当にありがとうございました。

お足元にある品物を(引き出物のこと)、どうか忘れずにお持ち帰りください。

なお四十九日の法要は○月○日を予定しております。追って案内状をお送りしますので、しばらくお待ちください。

本日は、誠にありがとうございました。

言ってはいけない「忌み言葉」も押さえておこう

喪主挨拶にかかわらず、葬儀の場では口にするのを控えるべき「忌み言葉」が存在します。

以下のような言葉は、なるべく使わないよう気をつけましょう。

重ね言葉

「いよいよ」「ますます」「そもそも」など繰り返しのある言葉は、不幸が重なる「重ね言葉」であるとして葬儀の場では嫌われます。

成仏できないことを連想させる言葉

「迷う」「浮かばれない」といった言葉は、仏式では控えましょう。

続くことをイメージさせる言葉

「また」「何度も」といった、不幸が続くことをイメージさせる言葉は控えましょう。

家族葬の喪主挨拶は、肩の力を抜いて行なおう

大勢を前に挨拶をしなければならないと思うと、緊張してしまいがちです。

なかには「挨拶を暗記しなければ」と思ってしまう人もいるかもしれません。

しかし、喪主挨拶は、紙にあらかじめまとめたことを読んでもよいものです。

前日までに内容を考え、紙に書いてみましょう。

それを読むようにすれば、きっとリラックスして喪主挨拶を行なうことができます。

この記事を書いた人

廣田 篤  広島自宅葬儀社 代表

葬儀業界23年、広島自宅葬儀社代表。厚生労働省認定技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。前職大手葬儀社では担当者として 1500 件、責任者として1万件以上の葬儀に携わる。実母の在宅介護をきっかけに広島自宅葬儀社を立ち上げて現在に至る。広島市内だけでなく瀬戸内海に浮かぶ島々から、山間部の世羅町、神石高原町まで広島県内あらゆる地域の葬儀事情に精通する広島の葬儀のプロ。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。

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