【香典のマナーについて】金額相場・書き方・包み方・渡し方は?

葬儀に参列される方が用意すべきものの一つに「香典(こうでん)」が挙げられます。

初めて葬儀に参列される方や久しぶりに参列される方は、香典の書き方や相場など、「これで大丈夫かな?」と不安になることも多いでしょう。

そこで今回は、業界20年の1級葬祭ディレクターの私が「香典を用意する際に気をつけるべき注意点」をわかりやすく解説いたします。

葬儀へ参列される前にこの記事でご確認いただき、参考にしていただければ幸いです。

香典とは

そもそも「香典(こうでん)」とは「香」や「花」の代わりに、故人へお供えする金品のことです。「香料(こうりょう)と呼ばれることもあります。

現代では、一般的に香典は葬儀場の受付を通じて、遺族に渡されるのが通例です。

「香典」という風習が日本で広まった理由は、江戸時代に遡ります。江戸時代の村落共同体には「村八分(むらはちぶ)」という掟がありました。

村民が村の掟や秩序を破った場合に、八分の制裁行為が課されたのです。しかし、残りの二分である「火事」と「葬儀」には制裁はありませんでした。

当時はどんなに地域社会から断絶された人間、罪深い人間であっても「火事」と「葬儀」だけは手助けされていたということです。

つまり、日本においては、葬儀は昔から「助け合い」の歴史であったと言えるでしょう。

本来、香典は故人へお供えするものですが、実際は葬儀を行なう遺族を助ける意味合いで広まっていきました。

当時、香は高級品だったため、一般庶民は米や野菜を持ち寄って供えていたと伝えられています。

そして現代では、葬儀費用の負担を手助けするために、米や野菜よりも現金が用いられるように変わっていきました。

香典の金額相場について

香典の金額の相場は、年々、若干変化が見られます。

その要因は地域の風習、ご近所付き合いの度合い、所得水準の変化、社会情勢といった様々な事柄が考えられます。

一般的な相場は、下記の一覧を参考にしてみてください。

あなたから見た関係20代30代40代
祖父母1万円1万〜3万円3万〜5万円
親・義理の親3万〜10万円5万〜10万円10万円〜
兄弟・姉妹3万〜5万円5万円5万円〜
叔父、叔母1万円1万円1万〜3万円
従姉妹1万円1万円1万〜3万円
その他親戚3千〜1万円3千〜1万円5千〜1万円
上司5千円5千〜1万円1万〜
上司の家族3千〜5千円3千〜1万円5千〜1万円
同僚、後輩5千円5千〜1万円1万円〜
同僚、後輩の家族3千〜5千円3千〜1万円3千〜1万円
友人、知人5千円5千〜1万円5千〜1万円
友人、知人の家族3千〜5千円3千〜1万円3千〜1万円
先生、恩師3千〜5千円3千〜1万円3千〜1万円
近所の方3千円3千円3千〜5千円


例えば「3千〜5千円」の場合は、左の金額が平均的な金額です。迷ったら左側の金額(3千円)で問題ありません。右側(5千円)は関係性が濃い方の場合、所得の多い方などです。

自身の年齢により異なる香典の相場

年齢が上がるにつれて香典の相場も徐々に高くなる要因は、ご自身の社会的地位の変化によるものです。

例えば、あなたの勤める会社で、ある社員さんの家族の葬儀があったとしましょう。あなたの会社の同僚は香典を用意することになりました。

ここで23歳の入社2年目のA君と55歳のB専務の用意する香典金額が同じだった場合、いかがでしょうか。

23歳のA君はと別に何も思わないでしょう、しかしB専務は社内のナンバー2の地位、A君と同じでは格好がつきません。

このように、正確に言えば、年齢と言うよりも「社会的地位」によって香典の相場が上がっていくのです。

香典袋の入手方法、選び方、書き方について

香典袋の入手方法

香典袋は文具店、百貨店、コンビニ、スーパーの文具売り場で販売しています。お急ぎの場合は、最寄りのコンビニが便利です。葬儀会館で用意してる場合も多いのでスタッフへ尋ねてみましょう。

香典袋の選び方

香典袋として一般的に広く使われてるのは、水引きの色が黒白の不祝儀袋です。水引きの結い方は「結び切り」もしくは「あわじ結び」を用い、「結び切り」は「重ねて起こらないように」、「あわじ結び」は「末長く付き合う」という意味が込められてます。

結び切り」はこちら下記の画像になります。結び目がしっかり結ばれてますね。

結び切り見本

そして下記が「あわじ結び」。市販されてる香典袋の多くが「あわじ結び」です。

あわじ結び見本

弔事で使える水引は、この他にも双銀、藍銀、黄白の結びきりがあります。

水引の色が双銀の場合↓

双銀の見本

 水引の色が藍銀の場合↓

藍銀の見本

 水引が黄白の場合↓

黄白の見本

香典袋の書き方

香典は、本来は「薄墨」を使って書きます。

意味合いは、故人の死を悲しみ涙でくれるので墨が薄くなってしまった、また急いで訃報に駆けつけたため、墨でしっかりと書く時間が無かったと言われています。

実際に葬儀の場に20年間携わらせて頂いている私の経験からいえば、実際に薄墨で書かれてる方は少ないのが現状です。

普通の黒墨でも「縁起が悪い」と受け取られることはなく、逆に字が読みやすいメリットもありますので、あまり気にされることではないと思います。

また、薄墨を全く使わない地域も全国各所にあります。もし心配な場合は、葬儀が行われる葬儀会館へ問い合わせてみると良いでしょう。

表書きの書き方

仏式(浄土真宗以外の宗派)御霊前、御仏前、御香典、
仏式(浄土真宗)御仏前
神道御玉串料、御榊料、御神前、御霊前
キリスト(カトリック)御花料、御ミサ料
キリスト(プロテスタント)御花料、献花料、弔慰料
創価学会香典の儀は現在行なっていません。
無宗教御霊前、御香典 

浄土真宗では故人は亡くなった直後に極楽浄土へ行かれて仏になると考えます。ですから同じ仏式でも浄土真宗の場合は「御仏前」となります。

無宗教の場合は、御霊前、御香典と凡用性の高い表書きを使うと良いでしょう。

中袋の書き方

多くの香典袋は二重構造になっており、同封されてる中袋に実際のお金を包み、金額や住所を記入します。

中袋の表面…金額を記入

中袋の裏面…名前・住所を記入

※金額も名前、住所と同様に裏面へ記入する香典袋もあります

香典袋に中袋がついてない場合

香典袋の裏面左下に金額、名前、住所を記入します

金額・数字の書き方

香典袋に金額を記入する際は、旧字体「金一萬圓」「金参仟圓」で書く風習がありました。

今の時代は、従来通りに記入してる方もいれば、普通に記入してる方も多いですが、私はこの点はこだわる必要はないと考えています。

理由は、従来の葬儀といえば近所の方々が受付係を手伝っていましたが、現在は家族葬がかなり増えているからです。

実際に受付係をされる方が親族の高校生・大学生のケースも多く、低年齢化しています。

例えば、学生さんや会社関係の若年層の方が受付をされた場合、「金参仟圓」「金伍仟圓」は普段見慣れていないため、間違えてしまう可能性があります。

そういった理由から、金額・数字は普通に記入して問題ありません。

香典の包み方について

お札の入れ方

「香典」の風習は香の代金として、お金を包むようになったのが始まりです。そのため、香典袋に香典を包む際は、新札ではなく旧札を使うのがマナーとされています。

先程説明した薄墨の意味合いと同じく、「急いで訃報に駆けつけたので慌てて用意したので新札は用意出来なかった」という意味合いになります。ちなみに結婚式の場合は逆となり、予め用意出来ますから新札がマナーです。

どうしても新札しか用意出来ない場合は、一回お札を折ると良いでしょう。

お札の数

お札を入れる時、お札の数は1、3、5がよく利用されます。また、5の次は10を使うのが一般的です。

6、7、8、9は余り利用されず、避けるべき数字は4(死)、9(苦)です。

1、3、5、10の中から選ぶと間違いありません。

お札の向き

お札の向きにも注意しましょう。複数枚入れる時は向きは統一します。その他は特にこだわる必要はありませんが、正しい作法もありますのでお伝えします。

香典袋は裏側から開けます。香典袋を裏から開けてみた人の印象が一番良くなるように気配りをします。

裏側から見た時にお札が表になるようにします。福沢諭吉などの肖像画は下になるようにします。裏側を表だと思って用意すると自然に出来ると思います。

袱紗(ふくさ)とは

贈り物をする際に日本人はむき出しの状態ではなく、風呂敷など何かに包んで持参する風習がありました。

葬儀では下記のような儀礼用の絹布を袱紗(ふくさ)が用いられています。

袱紗の見本

袱紗は様々なカラーの商品が販売されています。

葬儀で選ばれるカラーはグレーや紺、緑、灰青、紫などの寒色系です。その中でも紫は慶弔両用で使えますので、一つ持っていると重宝します。

袱紗は葬儀場での必需品ではなく、持っていなくても目立ったり、恥をかくことはありませんので、ご安心ください。

持っていると便利なメリットとしては、男性は香典を袱紗に包んでスーツの内ポケットに入れると、香典袋が折れ曲がる心配がないことです。

特に社会的地位の高い方、慣習に習った作法を心がけたい方は、受け取る側に対して「礼を尽くす」という礼儀になりますので、持っておきましょう。

袱紗を販売している店舗は、礼服を揃えているデパート・百貨店、東急ハンズ、大型の文具店があります。

高級なもので3千円〜1万円台から、手頃に用意したい方は100円ショップでも購入できます。

今夜中に用意しなければならない時は遅くまで営業しているドンキホーテが便利です。

袱紗(ふくさ)の種類

掛袱紗の見本

掛袱紗

昔からある最も正式な袱紗と言われてます。四隅に亀房がついていて、開くと正方形になります。しかし現在はあまり利用されていません。理由としては、葬儀場にお金を持参する場合には適していないのが実情でしょう。

台付き袱紗

台付き袱紗には、文字通り袱紗に台がついており、台の上に香典を置きます。その後は風呂敷で包むだけなので初めての方もカンタンです。

爪付き袱紗

香典袋を包んだ袱紗に留め糸と爪がついていて、袱紗が崩れない工夫がされています。

金封袱紗

現代の最も主流なカタチがコレです。コンパクトで長財布のように使えます。香典袋を挟んで折りたたむ必要がなく、スーツの内ポケットや鞄のポケットに入れても崩れません。

袱紗(ふくさ)の包み方

1.袱紗の開きが左側にくるようにする

 お金を包む時は弔事は左側から、慶事は右側からです。

2.表書きが読める向きに香典袋を入れて、袱紗を閉じる

香典の渡し方について

葬儀場で香典を渡す場合

葬儀場の受付で渡します。

1.「この度は誠にご愁傷様でございます」などとお悔やみを一言述べてから、一礼します。

2.袱紗を取り出す

3.袱紗から香典を出す

4.香典の表書きが相手に読める向きで、袱紗(ふくさ)の上に置き、「御霊前にお供えください」などの言葉を一言添えて、両手で差し出す。

5.一礼する

注意点

  • 挨拶はたとえ葬儀場でも相手に聞こえるようにはっきりと
  • 香典は袱紗(ふくさ)から出して渡す
  • 袱紗(ふくさ)の上に香典を置いたら、以後は一切手を触れず、両手で差し出す

受付が無い場合は

葬儀社スタッフに尋ねると案内してくれるはずです。

後日、香典を渡す場合

会社関係者、学校関係者の場合は、代表して数名が式へ参列するケースがあります。

この場合、代表者が参列できなかった人の分まで、香典をまとめて持参する場合が多いのですが、タイミングを失い、渡せなくなることも…。

このような事態には、ご遺族に連絡をして「後日、お渡ししてもよろしいでしょうか」と伝えると良いです。

また、遠方により参列できない方も「郵便書留でもよろしいですか」と尋ねておくとよいでしょう。

遺族としては、香典をいただいたら、あなたはお客様になります。お客様を手ぶらで帰すわけにはいきません。会葬お礼を渡したいとなるはずです。

遺族側の準備もありますので、急に突然自身の都合がついたからと訪問するのは避けたほうが無難です。前もって連絡することが相手への配慮となります。

香典に関してよくある事例

・会社、学校、町内会などが複数の連名で出す場合

ポイント1

それぞれの金額、名前、住所がわかる用紙を香典袋の中に同封すると簡単です。一人一人の名前を香典袋に手書きで記入する必要はありません。50名になると書ききれなくて大変です。

最低限の情報である「金額、名前、住所」を記載すれば、書式は何でも構いません。企業で多くの人がいる場合、Excelの一覧表が便利です。

ポイント2

複数の連名では、表書きに「○○株式会社有志一同」「○○学校教職員有志一同」「友人一同」などと記載します。


連名にせずに起きたトラブル事例

Aさんは会社の代表として、職場の同僚・部下の香典を30人分持参しました。それぞれ別々の香典袋に入っており、合計30袋を受付に出しました。

大変なのは受付係です。目の前にはAさんだけですが、30人並んでるのと同じ状況になりました。Aさんだけでなく、後ろに並んでる方も長時間待たされることに…。

このような手間を省くために、複数人は連名香典袋で出すことが推奨されています。

例えば、香典袋の中に「Excelで制作した一覧表」を入れておけば、受付係は中身の確認はすぐに終わります。全員分の「名前」「住所」「金額」が書いてあるからです。

合計金額だけ確認して、会葬お礼品を30個用意すれば完了です。

受付係の時間を短縮して、周囲に迷惑をかけない為にも、複数人の香典は連名で一つの袋にまとめ、全員の「金額、名前、住所」を記載した表を添付するようにしましょう。

・会社として香典を出す場合

ポイント1

会社としての香典は「会社名」と「代表取締役○○」と代表者の名前で出しましょう。領収書は、受付係に伝えると用意してくれます。

ポイント2

社長の代理で参列する場合、会社に領収書と会葬お礼品を持ち帰ります。会葬お礼品に付いてる会葬礼状は、葬儀が行われたことを証明する資料にもなりますから、忘れずに持って帰ったほうが良いです。

・香典をお断りの場合

ポイント1

香典を遺族がお断りしてる葬儀もあります。この場合、無理に受け取ってもらうことはしないようにしましょう。

「受け取れません」「そこを何とかお願いします」と押し問答する場面を、筆者は何度も見てきました。遺族はたとえ一人でも受け取ってしまえば、他の方にはお断りしてるわけですから、その方々への罪悪感を感じてしまうようになります。ですから無理に受け取っていただくことはしないほうが良いです。

ポイント2

例えば、花を贈る。葬儀場へ設置する供花や葬儀後に自宅へお供えする花でも良いと思います。

他にも葬儀であれば弔電を打つ、葬儀後であれば御供え物を「御仏前」の熨斗をつけて贈る方法もあります。果物やお菓子が主流ですが、故人がお酒が好きだった方であれば、お酒でも構わないと筆者は思います。

・香典を郵送する場合

香典を郵送する場合、郵便書留で送るのが一般的です。ここで気をつけないといけないのが、「葬儀に間に合うかどうか」です。

ここで、毎年のように必ず起こる一例を紹介します。

例1 葬儀の日までに届くと思い、間に合わなかった事例です。その方は、香典を通夜日のお昼頃に、郵便書留で自宅宛に郵送されました。

ところが、ご遺族は不在で数時間後、葬儀社の事務所に届いてしまい、葬儀の日に葬儀場に間に合わなかったケースです。

例2 葬儀も終わって、疲れ果てて帰りたいにも関わらず、現金書留を受け取るために葬儀会館で長時間待たされてしまったケースもありました。

ポイント1

葬儀社へ電話をして「香典を現金書留で送りたいのですが」と相談しましょう。遺族がいつまで葬儀場にいるのか、帰宅時間を尋ねておきます。

ポイント2

いつ届くのかを確認しましょう

到着時刻を確認して、葬儀場へ郵便書留で送るのか、それとも自宅宛にするのか相談しましょう。

ポイント3

香典には送る期限は設けられていません。無理に葬儀が終わるまでに届けようとしないことが大切です。遺族にとっては後日に自宅へ届く方が安心という方もいらっしゃいます。

・家族葬と知った場合の香典について

身内だけで家族葬を行う場合、香典をどうしたら良いか悩まれるケースもあると思います。

ポイント1

後日お会いする機会があるのであれば、その際に香典を渡し、お会いする機会が無い場合は、郵便書留で送りましょう。

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