遺骨を家に置きっぱなしでも良い?納骨せず家に置いておく供養の形もあります

更新:2025.06.27

葬儀からだいぶ経っても、遺骨が自宅に置きっぱなしになっている人はいませんか。

『納骨する気力が湧かない』

『お墓を買えない』

『ずっと手元に置いておきたい』など、ご事情はさまざまかと思われます。

遺骨はいつまでも家に置いていいものです。

お墓に納骨しなければならないものではありません。

納骨せず家で供養する『手元供養』の方法について解説します。

遺骨はずっと家に置いておいていい

『遺骨はお墓に納めなければならない』と決まっているわけではありません。

一般的に、遺骨は四十九日法要のタイミングでお墓へ納骨します。

よって、四十九日を過ぎても骨壺が自宅にあると、親族や友人などから『いつまでも遺骨が家にあるのはよくない』などと言われたり、直接言われることはなくても後ろめたさを感じたりする人はいることでしょう。

しかし、遺骨の取り扱いについて、法的に遺族が気をつけなければならないのは、以下の2点だけです。

遺骨を捨ててはいけない

遺骨をごみの日に出すなどして勝手に処分してしまったら、遺体の遺棄罪にあたる可能性があります。

遺骨をお墓以外の場所に埋めてはいけない

例えば自宅の庭に、勝手にお墓を作るなどして、遺骨を埋めてはいけません。

この2点を守れば、遺骨をずっと手元に置いておいてもいいのです。

手元供養の考え方

『そうはいっても、お墓に入れてあげないと故人も浮かばれないのでは?』

『骨壺のままなんてかわいそう』と感じる人もいることでしょう。

しかし、骨壺を自宅に置いておくのは、かわいそうなことでも何でもなく、『手元供養』と呼ばれる立派な供養方法の1つです。

手元供養を行う人は、お墓を持たない人とは限りません。

『愛する人を身近に感じたい』という想いから、お墓があってもあえて手元供養を選んだり、遺骨の一部はお墓へ納骨し、一部だけを手元に残したりする人もいます。

また、故人の希望により散骨したものの、お参りの対象を残しておきたくて少しだけ遺灰を手元に残す人もいます。

2025年1月には、手元供養の事業に取り組む仏具店の関連サービス売り上げが、5年間で1億円を突破したというニュースが報道されました。

このように、手元供養を選ぶ人は、今確実に増えてきています。

参考:「遺骨を近くに」「仏壇に入らない」…手元供養へ遺骨を粉末化、関連サービス売り上げ1億円突破(読売新聞オンライン)

手元供養の方法

自宅で供養するイメージ

手元供養にはさまざまな方法があります。代表的なのは、以下の5つの供養法です。

葬儀で使用した骨壺のまま仏壇などで供養する

手元供養では、特別な骨壺を使う必要はありません。

葬儀で使用した骨壺のままでもいいのです。

仏壇やテーブル、棚の上などに骨壺を安置し、ご先祖様と同じように線香をあげたり、お水やご飯をお供えしたりして供養しましょう。

好みの骨壺に移し替えて仏壇などで供養する

美しい絵柄のついた骨壺に移し替えて供養する人もいます。

仏壇やテーブル、棚の上などに遺骨を安置し、線香やお水で供養します。

小さな骨壺に移し替えて、ミニステージなどをつくって供養する

手元供養をする人のために、小さな骨壺がたくさん市販されています。

遺骨の一部を小さな骨壺に移し替え、そのまま仏壇などで供養してもいいですし、お参り専用のミニステージを作るのもいいでしょう。

『ミニ仏壇』といった名称で、仏具店やインターネットで販売されていますが、手作りすることもできます。

ミニステージを手作りする場合は、お盆やプレートにミニ骨壺を載せ、小さな線香立てを置き、小さなコップにお水を入れてお供えすれば完成です。

骨壺のそばに遺影を安置すると、お参りの際にもっと故人を近くに感じることができるでしょう。

ミニ骨壺に納まらなかった遺骨は、合祀墓に納骨したり、散骨したりして手放すのが一般的です。

葬儀のときに使った骨壺に再び納骨して、ミニ骨壺の後ろなどに安置しておくという方法もあります。

骨壺を収納できるタイプの仏壇を購入する

手元供養への理解が進んだ現代では、あらかじめ骨壺を収納するスペースがついている仏壇が市販されています。

見た目は一般的な仏壇と変わりませんが、上段には位牌や遺影などを安置してお参りでき、下段に骨壺を納められるスペースがついているタイプです。

下段にある骨壺は、仏壇の扉を閉めてしまえば外から見えることはありません。

手元供養をしていることを、訪問者に知られたくない人にもおすすめです。

遺骨ペンダントなどのアクセサリーを作る

『故人をいつも近くに感じていたい』という人のなかには、遺灰をペンダントトップなどに込められるアクセサリーを作る人もいます。

遺骨アクセサリーには、ペンダントの他、指輪やブレスレットもあります。

遺骨アクセサリーに使う遺灰はほんのわずかです。

使われなかった遺骨は、ミニ骨壺に納まりきれないときと同様、合祀や散骨を選んだり、もともとあるお墓に納骨したりするのがいいでしょう。

手元供養の注意点

手元供養を行うときは、以下の4つに注意しましょう。

骨壺を埋めてはいけない

先述したように、お墓として許可を受けていない場所に遺骨を埋めると、法律違反になってしまいます。

庭などに骨壺を埋めるのは、やめましょう。

骨壺はあくまで家の中に安置して、供養を行います。

湿気に注意しカビから守る

遺骨は湿気に弱く、適切に管理しないとカビが発生してしまうおそれがあります。

長く自宅に安置するときは、湿気の多い場所に置かない、骨壺に乾燥剤を入れるなどの方法でカビから守りましょう。

家族の理解を得る

手元供養を行いたい旨をしっかり家族や親族に伝えて、理解を得ましょう。

親族が遺骨の手元供養を知らなければ、お墓参りのとき故人の遺骨が納骨されていると信じてお祈りしてしまう可能性があります。

身近な人に説明するときには、『遺骨が手元からなくなってしまうと寂しいから』

『お墓を買うかどうか迷っているから』など、手元供養を選ぶ理由を添えるのが大事です。

『大事な親族の遺骨が納骨されず、放置されている』と感じてしまう人もいるため、丁寧にご自身の意思を伝えてください。

いずれ遺骨の行き先を考える必要がある

手元供養は、自宅で遺骨を供養する人がいるからこそ選べる供養法です。

ご自身が遺骨を供養できなくなったときのことを、考えておく必要があります。

家族と同居しているのであれば差しあたり不安はありませんが、1人暮らしの場合は手元供養を離れた家族などに引き継げるかどうか確認しておきましょう。

もし手元供養を引き継いでくれる人がいない場合は、お墓への納骨、合祀墓への納骨、散骨など、将来どのように遺骨を手放すかを考えておきましょう。

『自分の遺骨と一緒に、手元供養していた故人の遺骨も散骨してほしい』などと、家族に希望を話しておく人もいます。

自分なりの供養を自由に考えて

手元供養は、自分で供養の方法を考えることができる自由な供養法といえます。

玄関先にミニ骨壺と遺影を安置して、毎日『いってきます』『ただいま』を言うこともできますし、寝室のサイドテーブルに祈りのステージを作って、1日の始まりと終わりに故人へ挨拶することも可能です。

書斎の本棚の一角に、祈りのスペースを作る人もいます。

また、祈りの形も多種多様です。

線香やお水をお供えするのは一般的な方法ですが、必ずそうしなければならないわけではありません。

故人が気に入っていたお菓子をお供えしたり、一輪挿しにお花を活けたり、お財布や愛用していたペンなどの遺品を添えたりなど、いろんな形で供養ができます。

ぜひ、オリジナルなアイデアで、遺骨の供養をご自身のライフスタイルに組み込んでください。

この記事を書いた人

奥山 晶子

葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。

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