遺品整理を自分でやる方法|準備物や作業の流れ、注意点を解説

更新:2023.04.18

遺品整理とは、故人が使っていたものを不用品と必要な品に分けたり、不用品を処分したりすることです。

なかには、遺品整理業者に頼らず遺族だけで頑張りたいと考える人もいるでしょう。

遺品整理を自分でやるときの流れやコツ、注意点について解説します。

まずは自分でやる遺品整理の大まかな流れを確認しよう

遺品整理には計画が必要です。

とくに一軒家をすっかり空にするような遺品整理は、作業人数の確保や軽トラックなど自動車の調達を必要とするため、念入りなスケジュールを立てなければなりません。

大まかな流れをつかむと、計画を立てやすくなります。

1. 相続人全員の了承を得る

相続人には遺品を受け継ぐ権利があります。

遺品整理は遺品を処分する行為を含みますから、遺品整理を行うには相続人全員の了承が必要です。

相続人全員が遺品整理に携わるのが理想的ですが、それができない場合は必ず電話やメールなどで了解を取り付けます。

2. 日程を決める

遺品整理を行うのは、なるべく多くの作業者が集まれる日にしましょう。

間取りの多い家や一軒家は、人数によっては1日で作業が終了しないかもしれません。

退出日が決まっている場合は、余裕を持って日程取りします。

参考までに、遺品整理業者が3LDKを1日ですっかり空にするには、4~5名の人員が必要です。

プロでさえこの人数が要るということを、頭に入れておきましょう。

3. 一般ゴミの処分方法を調べる

ゴミの分別方法やゴミを出せる曜日は、自治体によって違います。

故人の自宅がある自治体ではどのような分別なのか、いつゴミを出せるのかを調べておきましょう。

日程によっては、ゴミを持ち帰らざるを得ないかもしれません。

故人の自宅周辺でゴミを出すのか、自分の住んでいるところで出すのかは、あらかじめ決めておきます。

4. 粗大ゴミの処分方法を調べる

粗大ゴミの回収方法を調べ、戸外回収であれば遺品整理をした日の翌日に回収してもらうよう予約を取ります。

持ち込みの場合は、遺品整理の日に予約を取ります。

また、日程が合わないなどの理由で粗大ゴミの回収が不可能な場合は、不用品を引き取ってくれる業者に依頼し、遺品整理の日(なるべく遅い時間)に来てもらえるよう手はずを整えましょう。

5. 買い取り業者を調べる

遺品によっては、買い取りができる場合もあります。不用品の買い取りを希望する場合は、買い取り業者を調べておきましょう。

出張査定を行っている業者であれば、遺品整理の日に買い取りに来てもらうことができます。

出張査定を申し込むときは、なるべく遅めの時間を設定します。

また、買い取りができないものは不用品となるため、不用品引き取り業者よりも前に来てもらいます。

買い取り業者が不用品を回収してくれることもあるため、問い合わせてみましょう。

6. 必要な物を準備する

遺品整理に必要な物については、この後詳しく解説します。

7. 【当日】仕分けをする

作業当日は、遺品の仕分けから始めます。明らかなゴミは分別してゴミ袋にまとめ、あとは不用品と必要な物、保留とする物に分けます。

遺品整理の8割は、この仕分け作業です。

8. 【当日】梱包する

不用品の中でも一般ゴミとしては捨てられない物、必要品、保留とする物を別々に梱包します。

9. 【当日】搬出する

家の中をすっかり空にしたい場合は、梱包した遺品を運び出し、車に乗せます。

必要品や保留の品は自宅に保管し、保留品は少し時間をおいた後にまた見直してみましょう。

10. 【当日】清掃する

物を運び出した後を清掃して終了です。

遺品整理当日のスケジュールを立てる

上に紹介した流れを想定しながら、当日のスケジュールを立てましょう。

【一軒家における遺品整理のスケジュール例(作業者3~5人)】

08:00 集合、仕分け開始

12:00 大まかな仕分けを完了、昼食

13:00 買い取り業者の出張査定(作業者はゴミのまとめや清掃)

14:00 不用品回収業者が回収

あるいは地域の清掃組合などに粗大ゴミを持ち込む(作業者は梱包や清掃)

15:00 遺品の搬出、清掃

17:00 解散(打ち上げ会食)

しっかりスケジュールを立てると、「家が遠い人は前泊してもらおう」

「この人はお昼までのお手伝いでいいな」

「車を出してくれる人は、朝から集合でなくてもいいな」など、作業者の負担を軽減する気づきが生まれることもあります。

数日にわたって遺品整理をする場合も、まずは仕分けから徹底して行い、その後に買い取り業者や不用品回収業者が訪れるよう段取りしましょう。

作業前に準備しておきたいもの

作業前には、以下の物を準備しておきます。

清掃用品は故人の家の物を使っても良いですが、最後に搬出し忘れないようにしましょう。

搬出用の車が出てしまった後に掃除機やホウキが取り残されると、残った作業者が手分けして持ち帰らなければならなくなります。

・滑り止めつき軍手

・マスク

・ゴム手袋

・地域指定のゴミ袋

・段ボール

・ガムテープ

・ビニール紐

・ホウキ、ちりとり

・掃除機

・雑巾

・バケツ(雑巾を絞るため)

・油性ペン

・ハサミ、カッター

・小さめの手提げつきポリ袋をたくさん

・45l用ポリ袋を複数枚(段ボールが足りないときに使う)

整理したい部屋の順番と作業のコツ

以下のような順番で作業すると、遺品整理がスムーズに進みます。

1. まずはキッチンから

遺品整理で一番手こずるのが、飲食物の処理です。

飲料や調味料の容器を空にし、容器を洗って分別するのは手間がかかるうえ、先延ばしにしてしまうと腐敗臭のもとになり、衛生的にも良くありません。

多くの人数を割く必要はありませんが、整理を開始したら真っ先に取りかかり、他の部屋と並行して進めましょう。

2. 玄関から最も近いスペースをきれいにして物置部屋を確保

分別した物を置いていくスペースとして理想的なのは、玄関から最も近い部屋です。

大きなものを搬出しやすいためです。

「ここは物置部屋」と決めたら、物を他の部屋に移動させてスペースを空けましょう。

3. 物置部屋に各種ゴミ袋と3つの段ボールを用意

物置部屋に、可燃・不燃等の各種ゴミ袋と、「不用品」「必要なもの」「保留」とペン書きした3つの段ボールを用意します。

作業者は各自手提げつきのポリ袋を複数枚用意し、ひとまずポリ袋単位で遺品を仕分けしましょう。

ポリ袋がいっぱいになったら物置部屋へ移動し、段ボールへ遺品をまとめます。

段ボールがいっぱいになり次第、新しく段ボールを作ります。

4. 引き取りに来てもらう家財から優先して整理する

買い取り業者や不用品回収業者が訪れる時間帯は決まっています。

業者が訪れたときに家財が空になっていなければ、手間を取らせてしまいかねません。

目の前の物から整理したい気持ちをこらえ、タンスや本棚、食器棚の中をまずは空にしましょう。

5. 一軒家の場合は暗くなる前に家の外も整理する

忘れがちなのが、外の残置物です。

物干し竿や自転車、倉庫にあるバーベキュー用品や海水浴の遊具などもしっかり出しましょう。

外が暗くなる前に見回りをします。

遺品整理を自分でやるための注意点

遺品整理に困っている女性

遺品整理には、以下のような注意点があります。

相続放棄したい場合は遺品に手をつけない

相続放棄とは、一切の財産を相続しないと決めることです。

遺品整理をするということは、故人の財産を処分するということなので、相続の意思があるとみなされてしまいます。

相続放棄したいなら、故人の遺品には手をつけないようにしましょう。

空き家でも電気、ガス、水道は契約を続けておく

電気がつかなければ掃除機がかけられませんし、暗くなったら作業できません。

水道がなければ清掃ができず、ガスが来ていなかったら給湯器がつきません。

遺品整理が終わるまでは、ライフラインが必要です。

粗大ゴミの回収は早めに予約する

粗大ゴミの回収業者の忙しさは、地域によっても時期によっても違います。

とくに引っ越しの多い2~3月は繁忙期で、なかなか予約しづらい傾向があります。

なるべく早めに予約を入れましょう。

迷ったら保留して、選別に時間をかけない

たくさんの部屋を一気に整理する場合はとくに、ひとまずの目的を「自宅を空にすること」とし、選別に時間をかけないようにしましょう。

迷ったら保留の段ボールに入れます。

貴重品や形見になりそうな品を見つけたら相続人に相談する

相続が完了していても、遺品整理を行うと新たに貴重品や形見となりそうな品が見つかることがあります。

「こんな物が見つかった」と相続人に情報を共有し、後にトラブルとならないよう気をつけましょう。

遺品整理の手が止まったら、誰かと思い出話をしてみよう

以上、遺品整理を自分でやるときについて解説しました。

整理を進めていると、遺品を手にして懐かしさについ浸ってしまうことがあります。

思い出が溢れてきて整理の手が止まったら、一緒に作業している誰かと思い出話をしてみましょう。

話をすることで気持ちが整理され、次の作業に進めます。

一人で作業をしているなら、想い出を共有できる誰かに電話をしてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

奥山 晶子

葬儀社への勤務経験 NPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験から、終活関連に強いライター。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。

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お布団がない、仏具がない等の場合でも弊社が用意いたしますのでご安心ください。
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