【ペットの葬儀とお墓】費用や種類をわかりやすく解説します

更新:2022.07.07

最近では、ペットも家族の一員として捉えられるようになり、それに伴って、大切なペットをきちんと葬儀、供養をしようとする人が増えてきました。

一般社団法人ペットフード協会による「令和元年 全国犬猫飼育実態調査」では、2019年10月現在で、全国の犬と猫の飼育頭数は1857万頭以上にも及びます(犬の飼育頭数は約879万7千頭、猫の飼育頭数が約977万8千頭)。

日本全国の世帯数が約5340万世帯(平成27年度国勢調査分)ですから、いかに日本人の多くがペットと共に生活しているかが分かります。

またペットビジネス市場は年々増加しており、矢野経済研究所の行った調査ではその市場規模は1兆5000億円を超えています。

それに伴い、さまざまなペット葬儀社やペット霊園の新規参入が見られます。

しかし、ペット供養に関する明確な法規制がないのが現状で、そのため業者の質は玉石混交と言わざるを得ません。中には悪質なトラブルに発展するケースも見られます。

この記事では、ペットの葬儀や埋葬がどのような法律の中で行われているのかを押さえた上で、ペット葬儀の流れや方法、料金やトラブル事例などについても触れてまいります。

あなたの大切なペットを満足いく形で見送ることができますように。ペットロスの痛みが少しでも軽減するためには、心のこもった葬儀や供養が不可欠です。

ペット葬儀に関する法律

人の火葬や埋葬は「墓地、埋葬などに関する法律」に則って行われますが、ペットに関してはこうした法律がないのが現状です。

とても聞き苦しいことかもしれませんが、日本の法律ではペットを「物」として捉えます。

そのため、亡くなったペットの遺体は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」において「廃棄物」として処理されるのです。

しかし一方で、「動物愛護管理法」では、「動物が命あるものであることにかんがみ、(中略)その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない」と、動物の健康や安全を守るための基本原則を示しています。

ペットの亡骸が一般廃棄物だからといって、ゴミとして出されるのかというと、現実的には見られません。

つまり、「物」と「命あるもの」とのはざまのなかで行われているのがペット供養なのです。

人の火葬や埋葬の場合には、さまざまな規制があります。

たとえば、火葬後の焼骨はどこにでも埋葬していいわけではなく、都道府県知事が「墓地」と認めた場所でしか行えません。

それに対してペットの亡骸は、どのように埋葬しようと自由です。

家の庭に埋葬してもいいですし、手厚く葬儀や供養をして立派なお墓を建ててあげても、飼い主さんの思うようにしてあげられるのです(ただし「悪臭防止法」「大気汚染防止法」「ダイオキシン類対策特別措置法」などの法律に抵触してはいけません)。

こうした中で、ペットの亡骸は次の3つの方法で行われているのが現状です。

(1)飼い主自らが処理(自分の所有する土地での埋葬)

(2)地方公共団体(清掃局や保健所)に処理依頼

(3)ペット葬儀社による火葬、寺院やペット霊園による埋葬供養

ペット葬儀社やペット霊園による供養がどのようになされるのか、次の章から具体的にご説明いたします。

火葬・葬儀・供養・霊園 ペットにまつわるさまざまな弔い

ペット火葬、ペット葬儀、ペット供養、ペット霊園など、ペットにまつわる弔いにはさまざまな言葉が飛び交います。これまた、法規制がなく、いろいろな業者が新規参入しているからです。

こうした用語は、すべて同じような意味合いで語られがちですが、厳密には一つずつ異なるものです。ひとつずつ個別に分解して考えてみましょう。

火葬

火葬とは、ペットの亡骸を火葬してお骨にすることです。

亡くなってしまったペットは時間が経過すると共に体が傷んできてしまうので、衛生面、心理面の双方からも速やかに火葬にしてあげるのがよいでしょう。

ペット火葬は主に、火葬場(固定火葬炉)か訪問火葬(移動火葬車)のいずれかで行われます。

「葬儀社」と謳っているところもあれば、「霊園」が火葬炉を持っている場合も少なくありません。

また、一部自治体が運営する公営斎場でもペット火葬を行っているところがありますが、遺骨を返してもらえないことが多いようです。

葬儀

葬儀とは、狭義では通夜や告別式のようなセレモニーを、広義ではご逝去から火葬や埋葬までの一連の弔いを指しています。ペットの場合でも人と同様で、火葬だけする人もいれば、告別式まで執り行う人もいます。

供養

供養とは、遺骨になったあとの弔いのことです。ペットの遺骨をどのように取り扱うべきか法律や形式があるわけではありません。お寺や霊園などでお墓を建てる人もいれば、合同埋葬して定期的に合同墓にお参りする人も見られます。

また、ずっと遺骨をそばに置いておきたい人のために手元供養という方法も選ばれています。

人の場合は一周忌や三回忌のように、死後も定期的に年忌法要を営みますが、ペットの場合こうした慣習はありません。

もしも飼い主さんが望むのであれば、ペット供養に応じてくれるお寺を探してみましょう。

霊園

霊園とは、ペットのお墓のことです。お寺や専用霊園などによって営まれています。個別の墓石、合同墓、納骨堂などがあります。

業態はさまざま 自分に見合ったペット葬儀を選ぼう

さて、ここまでペット葬儀に括られる4つの言葉(火葬、葬儀、供養、霊園)をそれぞれ個別に取り上げてその内容をおさらいしましたが、ペット葬儀社の役割は実にさまざまです。

固定火葬炉と墓地を併設した霊園もあれば、火葬だけを取り扱うというところもあります。

自分たちが依頼する業者がどこまでのことをしてくれるのか、事前に確認しておきましょう。以下、よくある3つのパターンをご紹介いたします。

●火葬炉+墓地

固定火葬炉と墓地を併設した霊園です。火葬後そのまま遺骨を埋葬できます。個別の墓地を購入して墓石を建てるだけでなく、室内納骨堂や合同墓なども利用されています。

●火葬専門

火葬を専門にしている業者には、固定火葬炉施設を持った業者と、移動火葬車を用いた訪問火葬業者のいずれかがあります(詳しくは次の章で述べます)。

どちらとも、火葬後は遺骨を返してもらうので、飼い主さんが自ら寺院や霊園や手元供養などの供養方法を考えます。

●寺院による供養+埋葬

寺院によるペット供養も多く見られます。遺骨を埋葬し、読経もしてもらえるので、手厚い供養を受けられます。

火葬炉を併設しているところは少ないようなので、別の業者で火葬をしてもらったあとに遺骨を持参しましょう。

固定火葬炉と移動火葬車

ペット火葬は、主に固定火葬炉と移動火葬車の2つに分かれます。前者はペット霊園が業者の所有地に火葬施設を設けており、後者は訪問火葬業者が保有する車両で火葬が行われます。

ペット霊園を開設するには土地と施設が必要です。一方で、前の章でも触れたように誰でも新規参入できる業界であるため、初期費用を少しでも抑えようと移動火葬車を用意して開業するケースが多く目に付きます。

移動火葬車はその危険性が懸念されています。ガソリンを乗せた車両に約800から1000度にも上昇する火葬炉を使用するわけです。実際に火事や爆発のようなトラブルも起きています。最近では煙や匂いさらには有害物質をほとんど出さない火葬炉が開発されているようですが、どのような火葬車を用いるかは業者次第です。

固定火葬炉はなんとなくイメージできるものの、移動火葬車についてはよく知らないという人が多いのではないでしょうか。移動火葬車について、もう少し詳しく触れていきましょう。

移動火葬車とは

移動火葬車とは火葬炉を搭載した車のことです。自宅まで訪問してペットを引き取り、自宅の前の路上、または少し離れた場所に移動して、火葬をします。移動火葬車のメリットとデメリットには、どのようなものがあげられるのでしょうか。

移動火葬車のメリット

移動火葬車には次のようなメリットがあります。

●忙しい中火葬ができる

日々の仕事や生活で忙しく、なかなか時間が取れない人にとって、自宅まで訪問してくれる移動火葬車は大変助かります。

●近くにペット霊園がなくても火葬できる

エリアによっては近くにペット霊園がないということもあります。その場合も、わざわざ遠方まで足を運ぶ必要がありません。

●思い出の場所で火葬ができる

思い出の川や公園など、ペットとの思い出の場所まで出向いて火葬することもできます。

移動火葬車のデメリット

しかし、移動火葬車には次のようなデメリットがあり、数々のトラブル事例もあります。

●火事や爆発の危険性

移動火葬車による火事があとを絶ちません。火葬するためには800度から1000度にも及ぶ火を使用します。その上車両にはガソリンが搭載されています。万が一のことが起きた時にはペットだけではなくその周囲にいる人に多大な被害を与えてしまいます。

●煙やにおいなどによる近隣住民への迷惑

車両の中で火葬をするので、どうしても煙や匂いが漏れ出てしまいます。近隣の人たちに多大な迷惑をかけてしまうこともあります。

●ペットの大きさによっては火葬できないこともある

一般的なペットであれば問題ありませんが、大型犬など、大きな動物の場合は火葬炉に納まらないこともあります。

ペット葬儀の料金

ペット葬儀にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。ここまで述べてきて分かるように、ペット葬儀には、火葬、葬儀(供養)、埋葬(お墓)など、それぞれの場面で費用が発生します。順にご紹介して参ります。

ペット火葬の料金相場

ペット火葬には火葬場(固定火葬炉)と訪問火葬(移動火葬車)とがあります。火葬の方法やペットの大きさによって料金は大きく変動します。

●火葬場(固定火葬炉)の場合

火葬場での火葬には、立ち合い火葬(飼い主さんが立ち会って、お別れ、火入れ、骨上げまでを行う)、一任火葬(火葬場に火葬を一任する)、合同火葬(他のペットと一緒に火葬をする)、の3つの方法があります。

火葬方法とペットのサイズの違いから、料金相場を表にまとめました。

重量ペットの種類合同火葬一任火葬立合火葬
~2㎏小鳥、リス、ハムスターなど10000円~15000円~20000円~
2~5㎏猫、ウサギ、超小型犬(チワワ、トイプードルなど)15000円~20000円~25000円~
5~10㎏小型犬(ミニチュアダックスフンド・コーギー・など)20000円~25000円~30000円~
10~25㎏中型犬(柴犬、ダルメシアンなど)30000円~35000円~40000円~
25~40㎏大型犬(秋田犬、ラブラドール・レトリバーなど)40000円~45000円~50000円~
40㎏~超大型犬(土佐犬、セントバーナードなど)50000円~55000円~60000円~

●訪問火葬(移動火葬車)の場合

移動火葬車では、自宅やその付近で、車に搭載されている火葬炉で火葬します。業者によっては大きなペットの取り扱いができないところもあります。事前の確認が必要です。

重量ペットの種類 
~2㎏小鳥、リス、ハムスターなど12000円~
2~5㎏猫、ウサギ、超小型犬(チワワ、トイプードルなど)17000円~
5~10㎏小型犬(ミニチュアダックスフンド・コーギー・など)22000円~
10~25㎏中型犬(柴犬、ダルメシアンなど)32000円~
25~40㎏大型犬(秋田犬、ラブラドール・レトリバーなど)42000円~
40㎏~超大型犬(土佐犬、セントバーナードなど)52000円~

ペット葬儀や供養のお布施

僧侶による供養を希望するのであれば、お布施をお包みします。費用相場は5千円から3万円の間です。

お布施をめぐる考えはお寺や霊園によってさまざまです。

お布施はそもそも定額で決められたものではなく、飼い主さんの「お気持ち」のものです。ですから、お布施の金額を決めていないお寺もあれば、わかりやすく「何千円以上」としてくれるところもあります。

逆に、読経も含んだセットプランを用意している業者ではお布施の料金が組み込まれていることが多いようです。

ペットのお墓・納骨堂の費用

ペットの遺骨の取り扱いには、個別にお墓を建てる、合同墓への合祀、納骨堂の利用、手元供養などの方法があります。

●個別にお墓を建てる

ペットのためだけにお墓を建てるのであれば、ペット霊園で墓地を購入し、墓石を設置します。墓地代と墓石代を含めて5万円~20万円が相場です。この他にも年間管理料を納めなければならず、相場は1年あたり3千円くらいです。

●合同墓への合祀

合同墓とは、他のペットのお骨と同じ場所に埋葬するお墓のことです。費用は3千円から1万円程度です。

●納骨堂の利用

納骨堂とは屋内型のお墓のことで、ロッカータイプが主流です。さまざまの大きさのものが用意されており、納骨したい遺骨の数によって選ぶものが変わってきます。2万円から5万円が相場です。また、こちらも年間管理料が必要な場合があります。

●手元供養

手元供養とは身近な場所でお骨をお祀りすることです。普段生活する部屋の一角に写真と共に骨壷を置き、お花やお線香などをお供えします。ペット用の仏壇や仏具、ステージなども販売されています。

コンパクトでオシャレな骨壷や、遺骨を肌身離さず持っていられるよう、遺骨を納められるアクセサリーなどもあります。

いかがでしたでしょうか。

ペット葬儀をめぐっては明確な法規制がないため、業者選びは慎重にならなければなりません。

しかし、事前の情報収集をきちんと行っておけば、飼い主さんの思いに沿ったお弔いができるのです。

ペットも家族の時代です。心のこもった供養をしてさし上げましょう。

この記事を書いた人

廣田 篤  広島自宅葬儀社 代表

葬儀業界20年、厚生労働省技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。大手冠婚葬祭互助会で通算1,500件の葬儀を担当。家族の在宅介護がきっかけで広島自宅葬儀社を設立。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。

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