葬儀が終わってからの香典、送る場合と直接渡す場合のマナー

更新:2023.11.20

「知り合いに不幸があったことを葬儀後に知った」

「葬儀のことは知っていたが、家族葬と知ったので行けなかった」などの事情で、葬儀が終わってからの香典の渡し方に頭を悩ませている人もいるでしょう。

香典は、葬儀が終わってから渡すことができます。

郵送する場合と直接渡す場合の2つに分けて、詳しいマナーを解説します。

香典を葬儀後に渡しても失礼にはあたらない

香典は、一般的には葬儀に参列した際に受付へ渡すものです。

しかし、事情があって葬儀に参列できなかったときや、不幸があったことを葬儀後に知った場合は、葬儀後に香典を渡しても失礼にはあたりません。

最近では、親族を中心とした家族葬が人気です。

たとえ親しくしている人やその身内が亡くなったとしても、家族葬であれば参列できないケースは多いでしょう。

「香典を渡してお悔やみを伝えたくても、葬儀には参列できない」と悩む人が、増えてきていると思われます。

また家族葬の場合、近親者以外には葬儀が終わるまで訃報を出さないと決める遺族もいます。

なくなってしばらく経ってから訃報が届き、ぜひ香典でお悔やみの気持ちを伝えたいと考える人もいるでしょう。

葬儀に参列できなかったとしても、香典を渡してお悔やみを伝えたいと考えたなら、葬儀後に香典を渡したり、郵送で送ったりしましょう。

香典を準備する前に必ず確認したいこと

香典を準備する前に、まずは遺族が香典を受け付けているかを確認するのが大事です。

最近では香典を辞退する葬儀も増えています。

届いた訃報に「香典・供物の儀は事態申し上げます」などと書かれていたら、香典を送ることはできません。

訃報に香典辞退の記載がない場合には、香典を送れます。

なお、香典を受け付けているかどうかをわざわざ遺族に確認する必要はありません。

「香典は受け付けているか」と尋ねられたら、たとえ問題がなくても恐縮し、辞退してしまう人は多いものです。

基本的には、訃報の記載に従うのが大事です。

香典袋の選び方と表書きの書き方

葬儀後であっても、香典袋の選び方や表書きの書き方は、葬儀のときと構いません。それぞれ解説します。

香典袋の選び方

仏式葬儀であれば白黒、または双銀の水引があしらわれた不祝儀袋を用意します。

神式なら、蓮の花など仏教のモチーフがあしらわれていないシンプルな不祝儀袋を用意しましょう。

水引はあっても大丈夫です。

キリスト教なら無地または百合や十字架があしらわれた白封筒を用意します。

表書きの書き方

仏式の場合は、四十九日法要が済んでないうちは「御霊前」、四十九日法要の後なら「御仏前」としましょう。

ただし、仏式でも浄土真宗だけは、時期にかかわらず「御仏前」と書きます。

神式は「御玉串料」、キリスト教は「御花料」、宗教・宗派が分からない場合には「御香典」が無難です。

薄墨か濃墨か

故人が亡くなってから49日目までの香典の表書きは、薄墨の筆ペンや毛筆を使って書くのがマナーです。

「悲しみの涙で墨が薄まってしまった」ことを表すため、薄墨とします。

薄墨の筆ペンは、コンビニやスーパーの文具売り場で手に入ります。

香典のマナーについては、下記の記事で詳しくご紹介しています。

葬儀が終わってからの香典を直接渡す場合のマナー

香典を渡す場面

遺族宅が近所の場合や、家族ぐるみの付き合いをしていたようであれば、直接遺族宅へ持参するのも一つの方法です。

葬儀が終わってから香典を直接渡す場合は、以下のマナーを心がけましょう。

事前にアポイントを入れる

遺族の元を訪れお悔やみの言葉を伝えることを、「弔問」といいます。

電話やメールで遺族に弔問したいことを告げ、都合のよい日時を尋ねましょう。

華美な服装を避ける

弔問の際は、おめでたい印象のある明るい色味や、派手なデザインの服を避けるのがマナーです。

また、ジャージやジーンズのような普段着も弔問にふさわしくありません。

黒やグレー、紺、茶系といった地味めの色を意識してお出かけ着を選びましょう。

靴下やベルト、靴、鞄、髪留めといった小物については、なるべく黒か、黒に近い色を選びます。

また、できれば光沢がないものにします。

香典は袱紗に包む

香典袋はそのまま持ち歩かず、「袱紗(ふくさ)」と呼ばれる布に包んで持参します。

袱紗にはシンプルな風呂敷状のものと、風呂敷に金封を置く台がついた「台付き袱紗」と、名刺入れのように金封を挟み込むことができる「金封袱紗」の3種類があります。

弔事の場合、いずれも左開きになるように包みます。

左開きは、画像のように、開くとき左手を使う形になります。

袱紗 左開き例

おじゃましたらお悔やみを言い香典を差し出す

遺族宅に到着したら、まずは「このたびはご愁傷様でした」

「お悔やみ申し上げます」といったお悔やみの言葉をかけましょう。

その後、「こちら、ご霊前にお供えください」と、袱紗から香典を取り出して喪主に渡します。

霊前に案内されたらお線香をあげる

「お焼香させてください」と申し出て、遺骨や位牌が置いてある霊前に案内されたら、お線香をあげましょう。

座布団に膝をついて座り、遺影や位牌に一礼してからお線香をあげます。

長居はしない

葬儀後の遺族はさまざまな手続きに追われ、心身ともに疲れがちです。

長居をするのはやめ、しばらく故人の思い出話をしたら、おいとましましょう。

葬儀が終わってからの香典を送る場合のマナー

香典は送ることもできます。ただしいくつかマナーがあるため、気をつけましょう。

現金書留を利用する

現金を普通郵便や宅配便で送ることは禁止されています。

香典を送る際は、現金書留を利用するのが一般的です。

現金書留用の封筒は郵便局で扱っています。

あらかじめ買い置きしておくこともできますが、発送の際は必ず郵便局の窓口で手続きをする必要があります。

お悔やみの手紙を添える

葬儀が終わってから香典を送る場合は、香典にお悔やみの手紙を添えます。

シンプルな白い便せんに、万年筆かボールペンを使い、便せんは1枚としましょう。

お悔やみの手紙として便せんを2枚以上送ることは「不幸が重なる」につながるため、タブーとされます。

文面は、まずはお悔やみの気持ちを表し、遺族と親しい間柄でなければ自分と故人の生前の関係を述べましょう。

葬儀に伺えなかったことや弔問できないことを詫び、香典を同封する旨を書いて締めます。

【お悔やみの手紙 例文】

「●●様のご逝去に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。

私は●●様と同じフィットネスクラブに通い、親しくさせてもらっていた△△と申します。

一度ご自宅に伺い、ご子息様にご挨拶させていただいたことがございます。

その節はありがとうございました。

最近はお姿をお見かけしないと感じていましたが、つい先日、共通の友人である○○さんから訃報を聞き、信じられない思いでいっぱいです。

クラブでのはつらつとしたお姿が目に焼き付いております。

存じ上げなかったとはいえ、お悔やみが遅くなり大変申し訳ありません。

心ばかりのものを同封しましたので、どうぞご霊前にお供えください。

●●様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。」

香典返しへのお礼はしなくてもよい

香典を送ると、遺族から香典返しが送られてきます。

香典返しは、いただいた物へのお返しですから、それに対してまたお礼をする必要はありません。

故人を想う気持ちを、遺族に伝えよう

香典は、一般的には葬儀のとき受付で渡すものです。

受付には遺族がおらず形式的なやりとりが主になるため、香典が「お悔やみの気持ちを示すもの」であるという認識は、なかなか持てないかもしれません。

しかし葬儀以外の場で香典のやりとりをするときには、受付はありません。

よって香典そのものを渡すことはもちろん、自分の気持ちを遺族に直接示すことが同じくらい重要になります。

それは香典を送る場合も同様です。

故人とどんな想い出を共有していたか、遺族にどんな言葉をかけたいのかを具体的な言葉にし、伝えましょう。

この記事を書いた人

奥山 晶子

葬儀社への勤務経験 NPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験から、終活関連に強いライター。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。

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