法事の香典の書き方は?香典袋の表書きや名前、住所を書く位置も解説

更新:2022.09.10

法事に出席するとき、香典の書き方に迷う人は多いと思われます。

「御霊前」「御仏前」など表書きの書き方をはじめ、「名前はどう書けば良い?」「住所を書くべき?書かなくても良い?」といった疑問まで、たった一枚の袋に文字を書くだけなのに、たくさんの悩みが出てくることでしょう。

この記事では、法事における香典の書き方をわかりやすく解説します。

法事の香典には「表書き」「名前」「住所氏名」「金額」を書く

法事の香典袋には、以下の4つを書き入れます。

■表書き

袋の表側、上半分に「御霊前」「御仏前」といった文字を書きます。

表書きは、香典が何のためのお金かを示すもので、宗派によって書き方が違います。

■名前

表書きの下側に、香典を包む人の名前を書きます。

■住所氏名

香典袋の裏側か、中袋の裏側に、住所氏名を書き入れます。

■金額

香典袋の裏側か、中袋の裏側に、金額を書き入れます。

それぞれマナーがありますので、わかりやすく解説します。

まずは香典袋と筆記具を用意しよう

法事の香典袋は、宗派によって種類が違います。スーパーやコンビニ、文具店、大型商業施設の文具コーナーなどで手に入れましょう。

仏式

白黒、あるいは双銀の水引があしらわれているか、プリントされている香典袋を選びます。

蓮の花が描かれているものか、無地が仏式用です。

神式

白黒、あるいは双銀の水引があしらわれているか、プリントされている香典袋を選びます。

必ず無地を選びましょう。

蓮の花が描かれているものは、仏式用なので避けます。

キリスト教式

水引がない無地の香典袋を選びます。

お店によっては、十字架があしらわれた香典袋を販売しているところもあります。これもキリスト教用です。

無宗教

白黒、あるいは双銀の水引があしらわれているか、プリントされている香典袋を選びます。

何も描かれていない無地のものが良いでしょう。

なお、関西や北陸の一部では、法要での水引を「黒と白」ではなく、「黄色と白」とするところがあります。

香典袋を選びに立ち寄った文具店などで「黄色と白」の水引を使った香典袋が売られていたら、その地域の法事では「黄色と白」を使う可能性が高いといえます。

親族の年長者などに確認してから購入するのが無難です。

筆記具は、筆ペンがふさわしいとされます。

お葬式では薄墨がよく使われますが、法事では濃い墨の一般的な筆ペンを使うのがマナーです。

法事の香典で正しい表書き

香典の正しいマナー

法事の香典袋には上側に、表書きを縦書きしましょう。

宗教・宗派によって文字が違うため、注意が必要です。

仏式(浄土真宗以外)

四十九日法要までは「御霊前」、四十九日法要からは「御仏前」と書きます。

四十九日までは「死者の魂は、亡くなってから四十九日の間、霊としてさまよっている」とされているため御霊前、それ以降は仏様になられているので御仏前となります。

浄土真宗

「御仏前」とします。日本の仏教の中で、浄土真宗だけは「亡くなったら、死者の魂はすぐ仏となる」とされているためです。

葬儀の場でも、浄土真宗だけは「御仏前」となります。

神式

「御玉串料」あるいは「御榊料」とします。

玉串とは、神式の儀式中に捧げる、榊(さかき)の枝に紙垂(しで。白く長細い紙で、しめ縄などにも使われる)をつけたものです。

キリスト教式

「御花料」と書きます。

無宗教、宗派がわからない場合

「御香典」と書けば、何のためのお金かがとりあえず相手には伝わるので無難です。

表書きの下に書く名前の書き方

表書きの下には、香典を出す人の名前を縦書きで書き入れます。

出席者には親族が多いため、「○○家」ではどの家からの香典かが判別できません。

必ず世帯主の氏名を書きましょう。

夫婦連名にしたいなら、1つだけ名字を書き、その下に2つ名前を並べましょう。

男性の名前を右側、女性を左側に書き入れるのが一般的です。

また、有志が連名で香典を送る場合は、袋の右側を上位としてそれぞれの名前を書き入れます。立場が同列なら、50音順に書きましょう。

住所氏名をどこに書く?

施主が後でお返しものを送るとき便利なように、住所氏名を書き入れます。

「近しい親戚だから、住所くらい分かるだろう」と省略する人もいますが、次に不幸が起こったとき、次世代が前回の法事の資料を参考に連絡を取ることもあります。

必ず書きましょう。

金額をどう書く?

香典袋に金額を書き入れる欄が設けられている場合は、そこへ金額を書きましょう。

書き込み欄がないなら、中袋の裏面の左下に書きます。

中袋がない場合は、香典袋の裏面の左下に書きます。

金額は、「一」「二」「三」を使わず、「壱」「弐」「参」を使うのが従来のマナーでした。

これは改ざんを防ぐためと言われています。

また、「万」より「萬」、「円」より「圓」を使うのが丁寧とされます。

「一万円」であれば、「壱萬圓」と書きます。

しかし近年、壱、弐、参などの漢字は、日常生活で使うことはほぼなくなりました。

このため法事でも普通に一万円と書く方が年々増えています。

法事も葬儀同様に身内で少人数という形が増え、改ざんを防ぐという主旨は適さない面もあります。

相手にわかりやすい記載は心遣いの一つですし、普通に一、二、三と記載しても構いません。

法事の香典袋はどう包む?

香典を入れたら、香典袋を元のように包みましょう。

最後、袋を折りたたむときは、下側の短い折り返しに、長い上側の折り返しをかぶせるようにします。

これには、「顔を下向きにする」や、「涙を流す」といった意味が込められており、弔時特有の包み方とされます。

一方、お祝いの場合には、ご祝儀袋の上側の折り返しに、下側をかぶせるように包みます。

「顔を上向きにして、喜びを表現する」「(運や人生などが)上向きになる」という意味が込められています。

覚えておくと便利です。

袱紗(ふくさ)にはどう包む?

香典袋は、裸で持参するのではなく、法事でも袱紗に包んで持参するのがマナーです。

袱紗とは、香典袋を包む小型の風呂敷を指します。

風呂敷型だけでなく、布バッグの形をした袱紗もあります。

最近は、クラッチのような形をした布バッグ型の袱紗が多く売られているため、包み方に迷うことはあまりないでしょう。

ただし、弔事の場合は、右手に袱紗を置き、左手で開くようにします。いわゆる「左開き」です。

反対の「右開き」は、慶事での開き方なので、香典袋の向きに気をつけて包みましょう。

風呂敷型の袱紗であっても、開いたときの形は同じです。

まず、袱紗を裏向きにして、菱形になるように置きます。

その後、袱紗の中心よりもやや右寄りに、香典袋を置きます。

そして、「右→下→上→左」の順に、袱紗の端をたたんで香典袋を包みましょう。

すると、右手に袱紗を置き、左手で開く「左開き」の包み方が完成します。

法事のとき、香典は誰に渡すの?

法事の席には、通夜や葬儀のときのような受付はありません。

このため、「いつ香典を出せば良いのか」と迷う人は多いでしょう。

法事の際、香典は施主に渡しましょう。

法事に到着したら施主に挨拶をし、その場で香典を渡します。

もしかしたら、焼香場所に置かれているお盆に香典を置くよう促されるかもしれません。

その際は、焼香場所まで進んで一礼し、黒いお盆に香典を置いてから、焼香を済ませます。

香典を手渡しするときは、直前まで袱紗に香典を包んでおきます。

施主の目の前で袱紗から香典を外し、渡すようにしましょう。

不安な点があれば施主に確認を

「水引は、黒白?黄白?」など、しきたりで分からないことがあれば、事前に施主へ連絡して尋ねるのがいいでしょう。

葬儀の場では「忙しい喪主に、あれこれ尋ねてはならない」とするマナーが確立されていますが、招待から開催まで日数の開く法事については、その限りではありません。

むしろ、気兼ねして他の親族に尋ねるよりも、施主にきちんと尋ねた方が、間違いがなく安心です。

この記事を書いた人

奥山 晶子

葬儀社への勤務経験 NPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験から、終活関連に強いライター。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。

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