独身の終活で一番大事なのは「希望を誰に託すか」と「託し方」

更新:2023.07.25

独身の終活には、既婚者と比べて自由な面と不自由な面があります。

配偶者や後の世代に気兼ねなく希望を思い描ける反面、その希望を誰にどんなタイミングで託すかが課題になりがちです。

独身者の終活について、とくに「誰に何を、どう託すか」という問題にスポットを当てて解説します。

独身の終活はまずエンディングノートを入手しよう

終活とは、自分で自分のことができなくなってしまったときのため、介護や医療、葬儀、墓、相続などについて自分の希望をまとめ、できる範囲で準備しておくことです。

終活において自分の希望をまとめるためのツールとしては、エンディングノートが知られています。

エンディングノートとは、万が一に備えて、自分の希望に沿って身近な誰かが動いてくれるようにさまざまな希望や備忘録を書き記しておくためのノートです。

エンディングノートは、主に以下のような項目で構成されています。

緊急連絡先

倒れて救急車に運ばれたときや亡くなったときに、連絡してほしい人の電話番号やメールアドレスなどを記しておきます。

医療の希望

終末期において延命治療を望むか、脳死状態になったら臓器提供を望むかなどを記します。

介護の希望

どこで誰に介護を受けたいか、好きな音楽、好物、苦手な食べ物、嫌いなタイプの服など、介護状態になっても快適に暮らせるよう自分の希望について記します。

葬儀の希望

自分の葬儀に誰を呼んでほしいか、希望の宗教・宗派、希望する遺影のありかなどについて記します。

葬儀社に生前見積もりを依頼し、葬儀金額を把握しておく人もいます。

お墓の希望

自分1人のお墓がよいか、それとも他の人の遺骨と一緒に納骨される合祀墓がよいかなどを記します。

相続の希望

誰にどんな財産を相続させるかを記します。

ただし、エンディングノートには法的効力がないため、法的に効力のあるものを残したいと考えた場合は別途、遺言書を作成します。

その他、ペットの世話についての希望や、保険などの契約情報、自分史を書くページが設けられているエンディングノートがほとんどです。

エンディングノート選びに迷うようなら、ぜひ以下の記事もご覧ください。

介護、葬儀、墓、相続……誰が独身者の希望を叶えてくれる?

独身者がエンディングノートを購入しても、なかなか書き進めるのが難しいかもしれません。

なぜなら、エンディングノートには家族への手紙のような面が多々あるためです。

例えば葬儀を「こうしてください」と希望を述べても、その希望を叶えてあげる人がいなければ、夢を描いただけに終わってしまいます。

エンディングノートを手に入れ、譲れない自分の希望を思い描いたら、「誰に向かって書くか」をイメージしましょう。

希望を叶えてくれる可能性があるのは、以下のようなサービスや専門家です。

専門家に相談するイメージ

公的介護サービス

介護保険制度により、65歳以上の人が要支援あるいは要介護認定を受けると、公的介護サービスを受けられます。

介護度に応じて、通所介護(施設に通い、必要に応じて入浴や食事、排泄の介助を受けること)や訪問介護(ヘルパーが家庭を訪問して介助すること)、通所リハビリテーション、車椅子などの福祉用具貸与が1割負担で受けられます。

民間介護サービス

公的介護サービスではカバーできない部分を、民間介護サービスがフォローします。

庭木の手入れや病院への付き添いといった、「自分ではもうやれない」「誰かがいてくれないと不安」と感じる場面で役立ちます。

介護度に限らず利用できますが、全額自己負担です。

身元保証会社

入院や手術には、治療説明を一緒に受けたり、入院中のサポートをしたりする身元保証人が必要になります。

また、老人ホームなどの施設入居時には亡くなったとき身柄を引き取る身元引受人が必要です。

頼るべき身内がいない場合は、身元保証会社の利用を考えてみましょう。

行政書士

役所に提出するための書類作成や手続きそのものを代行してくれるのが行政書士です。

終活においては、相続手続きのため戸籍謄本などの必要書類を揃えたり、相続人や財産を調査したり、遺言書の作成をサポートしたりといった業務を行います。

他の士業との兼ね合いもあるため行政書士にできないこともありますが、終活サポートを行っている行政書士であれば他の専門家とも連携しているケースがほとんどです。

さまざまな相談の窓口になってくれる可能性は高いでしょう。

司法書士

裁判所等に提出する法的書類の作成を行うのが司法書士です。

終活においては、相続で生じる不動産の登記変更手続きなどを行います。

また、法律の専門家として高齢者の後見人を引き受けている司法書士もいます。

高齢になると「認知症になるのでは」という不安がつきまといます。

いざ認知症になってしまったときのため、判断能力が低下してきたとき金銭管理等を行ってもらう契約(任意後見契約)をあらかじめ結んでおくと安心です。

税理士

税務書類の作成をサポートしてくれるのが税理士です。

終活においては、相続税対策について相談できたり、相続税の申告をお願いできたりします。

遺言書の作成サポートも可能です。税金についての具体的な相談は、税理士にしかできません。

弁護士

法律上のトラブルが生じたとき相談できるのが弁護士です。

終活においては、特に相続トラブルが発生しそうなときに心強い相談相手になってくれます。

高い法律知識があることから、業務の一環として成年後見人を引き受けている弁護士もいます。

ほか、弁護士は行政書士・司法書士ができる全ての業務を行うことが可能です。

全てまとめて弁護士に依頼することもできますが、他の士業に比べて報酬が高いため注意が必要となります。

終活関連団体

ここまで紹介してきたように、終活にはさまざまな問題が生じますが、それぞれ相談できる専門家は違います。

信頼できる士業を探し選ぶのは大変なことです。

終活関連NPOや士業が立ち上げている終活法人は、複数の士業と連携を持ち、一括したサポートを行ってくれます。

信頼できる士業の知り合いがいる場合は安心ですが、もし全く何もツテがない場合は、「一括サポート」などと銘打った終活関連団体を頼るのが問題解決の近道かもしれません。

利用を検討する際は必ず複数の団体に事前相談を行い、サービスの見積もり表などをもらった上で比較しましょう。

もし、今後家族ができたら終活はどうなる?

もしも今後、結婚したり養子を迎えたりしたら、終活には劇的な変化が訪れます。

具体的には以下に注意しましょう。

身元保証を託す人が変わる

自分の今後を託せる人ができるため、身元引受人、身元保証人、後見人などの契約を専門家と結んでいた人は、そのための費用をまるごと削減することができます。

ただ、夫婦のどちらかが先に旅立てば、残された方はまた身寄りがいなくなります。

契約を解消したとしても、どちらかが1人残されたときのため、名刺など専門家の情報は残しておきましょう。

相続人ができる

配偶者はどのような場合でも法定相続人となります。

よって身寄りのなかった人でも、結婚した時点で自分の遺産を相続してくれる人が現れます。

配偶者を除くと、法定相続人の順位は「①直系卑属(子や孫)」「②直系尊属(親や祖父母)」「③兄弟姉妹」です。

もし結婚した配偶者に連れ子がいて養子縁組を行ったら、連れ子は第一順位の直系卑属となります。

ただ、連れ子と養子縁組を行わない場合は法定相続人となりません。

養子縁組を行わない連れ子に遺産を継がせるとしたら、遺言書が有効です。

喪主ができる

配偶者や養子に自分の葬儀の喪主を任せることができます。

葬儀の希望をエンディングノートなどに書き、託しましょう。

ただし喪主となる側にも意思や希望があることから、自分の思い描いた通りの葬儀ができるとは限りません。

喪主となる人と話し合い、双方が納得できる葬儀プランを描きましょう。

お墓の継ぎ手ができる

独身の頃は「お墓の継ぎ手がいないから、承継者がいなくても契約できる永代供養墓がいい」

「お墓をつくる必要はないから散骨がいい」と思っていたかもしれません。

しかし、配偶者や養子ができるということは、お墓の継ぎ手や一緒に納骨される人が現れるということです。

お墓のプランを見直してみましょう。

お墓は、葬られる人も、弔う側も満足できる形でなければなりません。

新しく家族となった人と一緒に、どんなお墓がいいかを改めて話し合いましょう。

独身の終活はコツコツとできることから

以上、独身の終活について解説しました。

独身者の終活には専門家の協力が不可欠ということをお分かりいただけたかと存じます。

終活の希望を託せる専門家について「こんなに種類があるのか」と驚かれた人もいるかもしれません。

それぞれの専門家に専門領域があり、適した相談をしなければいけませんが、専門家を選ぶコツは「自分が一番不安なこと、困っていることは何か」を把握することです。

まずは無料相談などを利用して、不安なこと、困っていることをヒアリングしてもらいましょう。

課題を洗い出せば、何を誰に相談したらよいかが明確になります。

ヒアリング能力に長けた専門家を見つけるのが、終活の不安を取り除く近道です。

この記事を書いた人

奥山 晶子

葬儀社への勤務経験 NPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験から、終活関連に強いライター。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。

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