共同墓地とは?メリットデメリット、費用についても丸ごと解説

更新:2023.03.08

共同墓地とは、血縁関係のない方と一緒に共同で使用する墓地のことです。

以前は主に集落単位で利用する墓地のことを指しましたが、しだいにたくさんの遺骨が納められる大きなお墓のことも指すようになりました。

似た言葉に『合同墓地』や『合葬墓』、『合祀墓』といったものがあり、混同しないようにしたいものです。

この記事では今日現在における共同墓地の意味やメリットデメリット、費用相場について解説させていただきます。

共同墓地は血縁関係にない複数の人と一緒に使う墓地

共同墓地は、血縁関係のない方と一緒に複数人で使う墓地を指します。

今日現在の意味合いと従来の意味合いで若干違いがありますので正しく知る必要があります。

昔ながらの共同墓地はご近所みんなで使う墓地で、個別に墓がある

以前、共同墓地といえば地域のコミュニティ単位で使用する墓地のことを指しました。

『○○墓地』など集落名がついた墓地で、基本的に公営ですが清掃などの管理は自治会が行います。

ご近所が共同で墓地全体を使いますが、区画は家ごとに分けられており、個別に先祖代々のお墓を建てます。

新しい意味の共同墓地は個別区画がなく、一つのお墓に複数の人が眠る

『共同墓地』あるいは『共同墓』といえば、血縁関係にない複数の人が眠る、大きな一つのお墓を指すことがあります。

昔ながらの共同墓地には家ごとに個別のお墓がありますが、この共同墓地には個別のお墓がありません。

民間霊園や寺院に多く見られます。

このように2つの意味があり、昔ながらの意味は今も有効です。

したがって、日常生活の中で『共同墓地』という言葉を見聞きした時は、どちらの意味合いなのかを確かめることから始める必要があります。

『こんなはずではなかった』とならないためにも、大事なことなので必ず行いましょう。

共同墓地に似た言葉と意味合いの違い

共同墓地

この他にも似たような言葉があり、『どう違うのか』と戸惑ってしまう方が多いものをご紹介させていただきます。

合同墓地/合同墓

『合同墓地』あるいは『合同墓』の意味は2つあります。

1つは、血縁関係にない複数の方と一緒に埋葬される、大きな一つのお墓です。

つまり、今日現在の共同墓地と同じ意味合いの言葉として使われます。

もう一つは、血縁関係にない複数の方と埋葬される『区画』のことを指します。

この場合、お墓そのものが1つとは限りません。

大きな一つの区画を使用する人数で分割し、小さな個別の区画を作ってそこへ埋葬し、故人名が刻まれたプレート等をつけて区別します。

1つの大きな区画を一緒に使うのは、同じ集落の人というわけではありません。

むしろ友人同士のように、血縁関係にはないけれど強い絆を持つ人たちが示し合い、合同で購入するケースが多くあります。

合葬墓

合葬墓も、今日現在の共同墓地と同じ意味合いを持っています。

大きな一つのお墓に、骨壺から遺骨を取り出して埋葬するタイプと、骨壺ごと保管するタイプがあります。

骨壺ごと保管するタイプであっても、後から個別に遺骨を取り出すことはあまりありません。

合祀墓

合祀墓も、今日現在の共同墓地と意同じ意味合いを持っています。

骨壺から遺骨を取り出して埋葬するケースがほとんどです。

『供養塔』や『慰霊碑』も、合祀墓の1つです。

共同墓地を選択するメリット

大きなお墓に複数の方と眠る、今日現在の意味合いで共同墓地を使う場合、以下のようなメリットがあります。

安価に利用できる

お墓を新たに建てないため、一般的な個別のお墓よりもかなり安価に利用できます。

費用は個別のお墓の10分の1ほどで済むケースもみられます。

費用相場については、後ほど詳しく解説します。

承継者を立てる必要がない永代供養

一つの大きいお墓をみんなで利用するので、お墓の管理や供養を霊園の管理者側が担ってくれる永代供養となります。

家族はお墓掃除や草むしりをする必要がありません。

また、お盆やお彼岸の節目には合同供養祭が行われ、年間管理費もし払わなくて良いため、承継者を立てなくてもお墓が成り立ちます。

おひとりさまなど、お墓の承継者に悩む人にぴったりです。

大半が宗教フリー

共同墓地の大半は、埋葬される方の宗教・宗派を特定しない宗教フリーです。

寺院の境内に設けられたものであっても、宗教を問わないケースが多く見られます。

ただし、まれに檀家専用のところもあるため、確認が必要です。

共同墓地を選択するデメリット

大きなお墓に複数の方と眠る、現代的な意味での共同墓地を使う場合、以下のようなデメリットがあります。

デメリットの解消方法とともに紹介します。

後から本人の遺骨だけを取り出すことはできない

多くは、骨壺容器から遺骨を取り出し、他の人の遺骨と一緒に供養されます。

後から『やはり個別のお墓がないのは寂しいから、戻してほしい』

『新しいお墓が整ったから遺骨を迎え入れたい』と本人の遺骨だけを取り出そうとしても、それはできません。

手を合わせる個別の対象がない

一般的なお墓であれば、『先祖代々之墓』などと刻まれた竿石が手を合わせる対象になります。

お参りすれば、特定の人物に向かってお祈りしているという実感が得られます。

しかし共同墓地では、多くの方が埋葬されているお墓に手を合わせることになります。

故人に手を合わせているという実感が薄いかもしれません。

後から本人に対してだけ供養したいと思うようになるかもしれないと不安な方には、手元供養用に少し遺灰を残しておくのがおすすめです。

手元供養とは、自宅に小さな骨壺を置いたり、遺灰を専用のペンダントに込めたりして供養を行うことです。

主な遺骨は共同墓地に埋葬し、手元に少しだけ遺灰を残しておくと、いつでも故人を身近に感じられます。

手元供養のための遺灰は、のちに主な遺骨が埋葬された共同墓地に相談して引き取ってもらったり、散骨したりすることが可能です。

詳しくは下記の記事でご覧ください。

共同墓地の費用相場

集落単位で使われる共同墓地には、個別のお墓を建てます。

よって一般的なお墓と同等の費用がかかり、相場は100万~200万円ほどです。重機が入っていけない奥まった場所にある、足場が悪いなど基礎工事が困難な場合は、費用がかさむ傾向にあります。

一方、一つのお墓に複数の方が埋葬される共同墓地には、個別のお墓を建てません。

費用はぐっと安価になり、相場は1体につき10万~30万円ほどです。

ただし、例えば一体30万円の共同墓地を夫婦と子ども一人の3人で利用すると、合計90万円となります。

すると一般的なお墓の相場とかなり拮抗してきます。

子どもと一緒のお墓に入ることを予定している人は、承継者を立てて一般的なお墓を建てるか、承継者がいなくてよいお墓にするかを家族でよく話し合った方がいいでしょう。

なお、共同墓地を考えている方の中には、今あるお墓を取り壊して墓地区画を管理者に返還する『墓じまい』を希望している方もいるでしょう。

墓じまいのあとには先祖の遺骨が残ります。

先祖の遺骨の行き先としても共同墓地は有効ですが、先祖の数が多いほど費用がかさみます。

管理者に相談して一つの骨壺に複数人の遺骨をまとめるなど、費用を抑える工夫が必要です。

安さが魅力で検討中の方へアドバイス

費用の安さが魅力で共同墓地を検討中の方には、もう一つ検討しておきたい選択肢があります。

埋葬における費用でお悩みの方の多くが、費用の安い埋葬方法に辿り着き、結果的に共同墓地という選択が入ってまいります。

『費用をかけない埋葬』をお求めであれば、そもそも遺骨を収骨しないという選択を検討するのも一つです。

遺骨を拾って骨壷に収めるのは、お墓に埋葬するのを目的とした方が行うものです。

火葬の際に遺骨を拾わないという選択肢を取れば、その後の埋葬には一切お金はかかりません。

もう一つの方法は、火葬の際に収骨は行うが骨壷のサイズを小さくするという方法です。

通常通り収骨を行えば、一般的な骨壷に収められ、その埋葬に悩みが生じます。

埋葬に関してお悩みが生じるのは『遺骨を拾う』から生じるもので、『大きな骨壷がある』から生じるものです。

もしも通常よりもサイズの小さい、手の平サイズの骨壷であったらどうでしょう。

お墓のサイズも小さくて済みますし、手元供養という選択肢も加わります。

『遺骨は拾わないといけないものだと思っていた』という方もいらっしゃいますので、念のためお伝えさせていただきました。

埋葬には色々な方法があります。

下記の記事でも紹介していますので、よかったらご覧ください。

●最後に

この記事では、共同墓地について解説しました。

2つの意味合いがあるため、検討する場合はどちらの墓地を指すのかきちんと確認しましょう。

また、自分が思っているとおりのお墓であるかどうか、一度見学をするのがおすすめです。

この記事を書いた人

廣田 篤  広島自宅葬儀社 代表

葬儀業界20年、厚生労働省技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。大手冠婚葬祭互助会で通算1,500件の葬儀を担当。家族の在宅介護がきっかけで広島自宅葬儀社を設立。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。

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