お葬式で孫代表挨拶(弔辞)初めてでも安心、ポイントと例文

更新:2023.11.15

葬儀では、弔辞の一つとして孫代表挨拶が行われるケースがあります。

お孫さんが小学生や中学生の場合は「おじいちゃん、おばあちゃんへの手紙」として読まれることが多いでしょう。

孫代表挨拶としてふさわしい文章は、お孫さんの年代によって変わってきます。

年代別に、孫代表挨拶のポイントや例文をご紹介します。

孫代表挨拶のタイミング

孫代表挨拶を行うタイミングは、葬儀における弔辞の時間です。

内容は主に故人へのメッセージで、お孫さんが小さい子どもであれば「おじいちゃん、おばあちゃんへの手紙」とも呼ばれています。

葬儀が始まって15分くらい経つと僧侶の読経がいったん終了し、弔辞の時間となります。孫代表挨拶があるのは、多くの場合、故人の友人代表などが弔辞を述べた後です。

最後のお別れの言葉として、孫代表がメッセージを読み上げます。

ただ、弔辞の順番は関係の深い順からとする例もあり、その場合は孫代表挨拶が一番先になります。明確な決まりはないので、親族間で話し合いの上決めましょう。

どの孫を代表にする?

孫代表を決める方法には、次の3つのパターンがあります。

1.年長者

葬儀で弔辞を述べるというのは大役です。

幼い子では緊張してしまうため、最も年長の孫を代表にします。

2.最も交流があったお孫さん

祖父母宅へよく遊びに行ったなど、故人との思い出が最も豊富なお孫さんを代表にします。

3.内孫

同居していた経験のあるお孫さんを代表にします。

孫代表挨拶のマナー

孫代表挨拶のマナーは、一般的な弔辞と同様です。

長さは3分程度を限度として、年齢が低い場合はかなり短く終わっても構いません。

400字詰めの原稿用紙で2枚程度をゆっくり読み上げると、およそ3分になります。

予め考えている言葉を紙にまとめ、その紙を見ながら挨拶しても全く問題ありません。

何も見ずに自身の言葉を思うままに話すのも構いません。

言葉に詰まっても大丈夫です、ご自身のペースで行いましょう。

弔辞の手順は以下の通りです。

1.名前を呼ばれたら席を立ち、後ろを向いて参列者と親族にそれぞれ一礼する

2.祭壇前へ進む

3.マイクの前まで来たら祭壇に向かって一礼する

4.紙を広げ、原稿を読む

(孫代表挨拶は、弔辞でよく使われる巻紙でなくても構いません)

5.原稿を読み上げたら元通りに折りたたみ、祭壇に供える

6.祭壇に一礼、参列者と親族にも一礼して席へ戻る

戸惑うようなら、式前に何度か練習したり、祭壇前に進むとき親御さんに付き添ってもらったりするのがいいでしょう。

孫代表挨拶に適した文章は年齢によって違ってくる

弔辞の文章にはさまざまなマナーがありますが、孫代表挨拶の場合は、堅い文章ではなく親しみを込めた口調でも許されるとされています。

しかし、高校生までであれば許されても、成人以降には不向きな言葉遣いがあります。

ここからは年代別に、孫代表挨拶のポイントや例文をご案内します。

孫代表挨拶のポイントと例文【小学低学年まで】

葬式で孫挨拶 小学校低学年

気持ちを文章にするのがまだ難しい年代のお孫さんの挨拶は、親御さんが気持ちを代弁してあげるのがいいでしょう。

故人とのどんな思い出が印象に残っているか、本人にヒアリングして文章を作ってあげます。

お孫さん本人は、文字が書けるようなら文章の一部あるいは全部を直筆します。

まだまとまった文章が書けない場合は、親御さんが文章を書きます。

本人は故人の似顔絵などを描き、可能なら最後に署名するのがいいでしょう。

構成は以下の通りです。

1.あいさつ

「おじいちゃんへ」「おばあちゃんへ」などと語りかけ、導入とします。

2.今の気持ち

故人が亡くなったことを知って「寂しい」「悲しい」などの気持ちを文にします。

3.故人との思い出

おじいちゃん、おばあちゃんと過ごして楽しかったことを文にします。

4.感謝と別れの言葉

「これまでありがとう」と「さようなら」の気持ちを文にします。

5.自分の名前

【小学校低学年までの例文】

おじいちゃんへ。

おじいちゃんがもういないと聞いて、とても悲しいです。

ことしのお盆にたくさん遊んでくれてありがとう。

おじいちゃんのはたけで、ぼくは生まれてはじめて、きゅうりやトマトをとりました。

とりたての野菜がおいしくて、苦手だったトマトが大好きになりました。

おじいちゃんのおかげです。

ぼくは、トマトもきゅうりも、ほかのお野菜も、もっともっと食べて、どんどん大きくなります。

どうか見守っていてください。

ほんとうにありがとう。

孫代表 (名前)

孫代表挨拶のポイントと例文【小学高学年~高校生】

個人差はありますが、小学高学年頃になると、自分の気持ちをきちんと文章にできるようになってきます。

親御さんは構成のポイントや例文を教えて、あとはお孫さんなりの表現を大事にしてあげましょう。

構成は以下の通りです。

1.あいさつ

高校生までは、「おじいちゃんへ」「おばあちゃんへ」という切り出し方でいいでしょう。

2.今の気持ち

訃報を聞いてどのように感じたかを書きます。

3.故人との思い出

故人とのエピソードを1~2個、語ります。

4.どんな人間になりたいか

故人と接した日々を胸に、どのような大人に育ってゆきたいかを書きます。

5.締めの言葉

感謝の気持ちで締めるか、「安らかにお休みください」「ご冥福をお祈りします」といった大人の弔辞の結びを使ってもいいでしょう。

6.名前

基本的な構成は小学低学年までの場合と同じですが、自分の気持ちやエピソードについては、より具体的に本人の言葉で表します。

【小学校高学年〜高校生の例文】

おばあちゃんへ。

3日前の夜、おばあちゃんが旅立ったことを家で聞き、涙が止まりませんでした。

かけつけておばあちゃんの顔を見ると、静かに眠っているだけのようで、もう会えないなんて信じられませんでした。

でも、本当にお別れなんだね。

両親に叱られたとき、よくおばあちゃんの家に行って、話を聞いてもらいました。

優しくなぐさめてくれるときもあれば、「それはあんたが悪い」と言われるときもあったね。

おばあちゃんの言葉は、なんだか素直に聞けた気がするよ。

「あんたが立派に成人した姿を見たい」と言ってくれたおばあちゃん。

私も見せたかったです。

成人式の日には、まっさきにお仏壇へ、晴れ姿を見せに行きます。

だからどうか空から見守っていてください。

どうか安らかに。

孫代表(名前)

孫代表挨拶のポイントと例文【大学生~】

成人した孫であれば、少し大人の弔辞のマナーを取り入れたいところです。

とはいえ、かしこまりすぎると他人行儀になり不自然なので、バランスに気をつけましょう。

導入と締めに弔辞マナーを取り入れる以外は、忌み言葉に気をつける程度で十分です。

忌み言葉とは、その場で口にしてはいけない言葉のこと。

とくに葬儀の場では、同じ文言を繰り返す「重ね言葉」(「いよいよ」「ますます」「たびたび」など)が忌み言葉とされます。不幸が繰り返されることを連想させるためです。

また死を直接表す言葉(「死ぬ」「亡くなる」など)も忌み言葉とされます。

参考にしたい構成は、以下の通りです。

1.導入

「祖父(祖母)の葬儀に際し、孫を代表して一言ご挨拶申し上げます」など、導入は少しかしこまった挨拶としましょう。

2.故人との思い出

思い出のエピソードを自由に語ります。この部分は堅苦しい言葉でなくて構いません。子どもの頃の思い出話と、ごく最近のエピソードがあると、話にふくらみが出ます。

3.感謝の気持ち

4.締めの言葉

「ご冥福をお祈りします」「安らかに眠ってください」など、かしこまった言葉を使います。

5.名前

【大学生の例文】

祖父の葬儀に接し、孫を代表して一言ご挨拶申し上げます。

このような日が来ることを覚悟していましたが、いつも優しかった祖父がいないということを、まだ受け止め切れていません。

小さい頃は年に数回、祖父の家へ遊びに行きました。

「おう、来たか」と笑顔で出迎えてくれ、魚釣りや山菜採りに連れて行ってもらったことを覚えています。

ときにはわがままを言って困らせてしまったこともあるかと思うのですが、祖父が怒った顔を全く思い出せません。そのくらい、温厚な祖父でした。

社会人になってから「就職したよ」と電話で報告すると、「よかったな」と言ってくれました。電話ごしでしたが、あの笑顔が見えるようでした。

私も祖父のように穏やかな気持ちで、人に優しく生きていきたいと思います。

おじいちゃん、ほんとうにありがとう。どうか安らかにお休みください。

孫代表(名前)

孫代表挨拶は自分なりの表現で良い

参列者の前で挨拶文を読み上げると思うと、緊張してしまいがちです。しかし参列者が目にして感動するのは、故人の遺した宝物であるお孫さんが皆の前に立ち、弔辞を読み上げている姿そのもの。

言葉遣いを気にしすぎることなく、自分なりの表現を大事にしましょう。

もしお孫さんご自身が「自分1人では読む自信がない」と判断したなら、親御さんに付き添ってもらいましょう。

また、悲しくて言葉に詰まるようでも、なるべく最後まで読み上げることが大事です。

この記事を書いた人

廣田 篤  広島自宅葬儀社 代表

葬儀業界20年、厚生労働省技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。大手冠婚葬祭互助会で通算1,500件の葬儀を担当。家族の在宅介護がきっかけで広島自宅葬儀社を設立。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。

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