喪主の挨拶|通夜・葬儀で役立つ場面別の挨拶例

更新:2023.04.03

穏やかな日常の中で突然起こる「家族の死」は、言葉では表せない程のショックな出来事です。

家族の死に直面して、ショックと動揺で正常心を保つことができない場合でも、通夜と葬式での挨拶をしなければならないこともあります。

この記事では、初めて喪主を務められる方に向けて、いつ、どこで、どのような挨拶をすべきなのか、時系列で場面ごとにまとめてみました。

少しでもご負担が軽減されればとの願いを込めて執筆しましたので、お役立ていただけましたら幸いでございます。

通夜の日に行う喪主挨拶と例文

 では場面別に時系列で挨拶の例文をみていきましょう。

お葬式では、儀式の最後にスピーチをするだけでなく、様々なタイミングで挨拶する場面があります。

まずはお通夜の日に行う挨拶です。

どのような葬儀にも対応できるように一般参列者が来られる葬儀を想定しています。

もし「私の場合は家族葬だから受付がありません」、「私達の葬儀は通夜振る舞いがありません」などの場合は、該当する箇所は飛ばして読み進めてください。

受付係への挨拶

■場面・・・受付係が到着した時

■受付係の方々へご挨拶しましょう、立ち話でOK

■挨拶例文

「ご多用中にもかかわらず○○の通夜にお越しいただきいただきありがとうございます。急なことで困ってたのですが、皆様のおかげで本当に助かりました。今日、明日とどうか宜しくお願い致します。」

寺院への挨拶

■場面・・・通夜式が始まる前、寺院が到着後

■寺院の控室へご挨拶に伺います。その際にお布施をお渡しする地域もありますし、葬儀が終わって後日お渡しする地域もあります。

■挨拶例文

「ご多用の中、今日はどうもありがとうございます。○○様にお越しいただいて、故人もさぞよろこんでいることと思います。

今日は宜しくお願い致します。」

通夜式での挨拶

■場面・・・通夜式の最後(導師が退場後)

■ご参列の皆様へ向かってマイクでご挨拶します。

■挨拶例文

「本日はご多用中にもかかわらず、○○の通夜にご参列くださいまして、誠にありがとうございました。

皆様方にお越しいただき、故人もさぞ喜んでいることと存じます。

明日のお仕事にもお差支えがおありでしょうし、これより身内の者でささやかに通夜を営みたいと思います。

本日はご多用中、ご参列いただきまして、誠にありとうございました。」

通夜振る舞いの挨拶

■場面・・・振る舞いの食事が始まる前

■親族が揃ったらご挨拶します。

■挨拶例文

「本日は本日はお忙しい中、わざわざお越しいただきましてありがとうございました。

皆様方においでいただき、○○も大変喜んでいることと存じます。

ささやかですが食事を用意させていただいてます。

供養のためにも是非、おくつろぎになって、召し上がっていただきたいと存じます。

本日はありがとうございました。」

葬儀の日に行う喪主挨拶と例文

受付係への挨拶

■場面・・・受付係が到着時

■葬儀の日も受付係の方々へご挨拶。立ち話でOK

■挨拶の例文

「本日もお運びいただきありがとうございます。引き続きお時間とお手間を取らせて恐縮でございます。

本日もどうか宜しくお願い致します。」

寺院への挨拶

■場面・・・葬儀が始まる前・寺院が到着後

■葬儀の日も寺院専用の控室へご挨拶へ伺います。その際にお布施をお渡しする地域もありますし、葬儀が終わって後日お渡しする地域もあります。

■挨拶例文

「ご多用の中、今日はおいでいただき、どうもありがとうございます。

皆様方においでいただき、亡き○○も喜んでいることと思います。今日は宜しくお願い致します。」

葬儀告別式での挨拶

■場面・・・葬儀の最後・弔電の拝読が終わった後

■葬儀閉式に際して、ご参列の皆様に向かって

■挨拶例文

「本日はご多用のところ、○○の葬儀、告別式にご参列を賜りまして誠にありがとうございました。

故人、生前中は皆様より格別なご厚情ご愛顧を頂きましてありがとうございました。(続柄)は○○年頃から○○を患ってました。

私ども一同もあらん限りの看護をいたしましたが、○○月○○日、看護の甲斐もなく満○○歳で他界致しました。

本日は皆様からご丁重なるお見送りを受け、亡き○○も大変喜んでいると思います。

残されました家族・遺族一同にも、亡き○○同様に、変わらぬお付き合い・ご指導を心よりよろしくお願い申し上げます。

 本日は、誠にありがとうございました。」

出棺の挨拶

■場面・・・霊柩車に乗る前

■ご参列者に向かってご挨拶(簡単な一言で結構です。)

■挨拶例文

「本日は皆様、どうもありがとうございました。」

初七日法要の挨拶

■場面・・・初七日法要が終わったあと

■寺院の控室へ伺いへ挨拶を行います。この際にお布施をお渡しする地域もあります。

■挨拶例文

「昨日、本日とご足労いただきありがとうございました。おかげさまで無事に終えることが出来ました。些少ではございますが、どうぞお納めください。」

精進落とし〜解散時の挨拶

■場面・・・精進落としの始めと終わり

■親族の皆様へ向かって行います。簡単で結構です。

■食事を始める前の挨拶例文

「本日はご多用の中、(続柄)のために最後までお付き合い頂き、大変感謝しております。

おかげさまで滞りなく葬儀を済ませることができました。

ささやかではございますが、精進落としの膳を用意させていただきました。

故人を偲びながら、おくつろぎ頂いて、召し上がっていただければ幸いです。どうぞ、お時間の許す限りごゆっくりおくつろぎください。」

■食事が終わる時の挨拶例文

「昨日から本日までご親族の皆様にはご多用中の中、遠路はるばるお越しいただき、○○の葬儀に多数お集まりいただきまして、 誠にありがとうございました。本日はこれで終了とさせていただきたく存じます。

○○がいなくなるので寂しくなりますが、家族で助け合いこれからも頑張りたいと思いますので、どうかこれからも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。」

喪主挨拶のポイント

続いては、はじめての挨拶でもスムーズに行うコツをご紹介したいと思います。

メモや例文を見ながら挨拶をしてもOK

筆者は業界で20年以上に渡り、葬儀のお手伝いをさせて頂いておりますが、実際の現場では、挨拶はメモを読みながら行われています。

挨拶の例文メモは葬儀社から渡されますので、そのメモを見ながら挨拶すれば問題ありません。ご自身でオリジナルの言葉を考えなくてもよいのです。

実際のところ、通夜式・葬儀はかなりスピーディーに進んでいきます。プレッシャーや周囲の目はお気になさらずに、例文をそのまま活用してOKです。

万が一、当日に例文メモを忘れてしまった場合は、葬儀担当者に伝えれば、予備のメモを渡してもらえますが、用意していないケースもあるので要注意。

式場へ移動する前に挨拶例文のメモは忘れてないか、再度確認をしましょう。

喪主が挨拶しないといけないわけではない

一般的に葬儀の挨拶は「喪主」によって行われますが、式進行上では「喪主挨拶」ではなく「親族代表挨拶」になります。

そのため、配偶者の奥様が喪主を務めて、喪主の奥様はご長男の隣に立ち、ご長男が挨拶を行うケースもよくあります。親戚の本家の叔父様のケースもありました。

「親族代表挨拶」ですから、喪主は挨拶の際に参列者に向けてお顔を見せて、一礼をすることで、非礼にはなりません。

詰まってもいい、ゆっくり話す

家族の死に直面した後に、大勢の前で挨拶をするのですから、誰でも緊張して、頭が真っ白になって、言葉が浮かばなくなるのも無理はありません。

人によっては、早口になってしまったり、黙り込んでしまう方もいらっしゃいますが、挨拶はゆっくり話すことを心がけましょう。

故人の生前のエピドードを紹介

挨拶の例文をそのまま読んで問題ありませんが、故人の生前のエピソードを紹介すると、より「故人らしさ」を伝えられるので、より感慨深くなります。

参列の皆様は職場の仲間や町内、親戚付き合いといった関係です。

故人の家族との姿や思い出、人柄、尊敬している所を紹介することで、参列者が知らない故人の良さを知ってもらうことができるでしょう。

その場に集う皆様が故人への思いを共有し、より良い葬儀になるでしょう。

最低限、喪主の挨拶に入れておきたい点

挨拶に入れておくべき最低限の例文は含まれていますので、例文をそのまま使って問題ありません。

例文に含まれてるのは…

故人との関係

参列者に対して自分自身が故人とどういった関係なのか、配偶者なのか、長男なのかを挨拶の前に伝える必要があります。例「親族を代表して(続柄)○○○○がご挨拶をさせていただきます」

葬儀の司会者や葬儀社が冒頭で紹介してくれる場合は、自ら関係性を紹介する必要はございません。

参列者へのお礼

例文では「本日は、ご多用中にも関わらず、ご参列をいただきまして誠にありがとうございます」という部分です。

生前のご厚意へのお礼

例文では「故人、生前中は皆様より格別なご厚情、ご愛顧をいただきありがとうございました」という部分です。

故人の生前のエピソード

例文の「満○○歳で他界致しました」という部分のあとに、故人との思い出話しや生前の心温まるエピソードをつけ加えてみましょう。

今後について、お願いなど

例文では「私どもはまだ未熟でございますが、故人の教えを守り精進していく所存です。今後も残された家族一同へも故人同様のご厚情を賜りますよう一重にお願い申し上げます。」という部分です。

挨拶の際に気をつけたいマナー

挨拶において気をつけたいマナーもご紹介したいと思います。

葬儀の場では「忌み言葉」というものがあります。ご遺族を傷つけず、縁起を担ぐために、葬儀では「忌み言葉」を避けるのがマナーとなっています。

忌み言葉に気をつける

重ね言葉

不幸を繰り返さないという意味で重ね言葉は使わないというものになります。
下記に具体的な例を記載してますのでご覧ください。左側の言葉が重ね言葉の悪い例になりますから、右側の言葉に言い換えて使うようにしましょう。

重ね言葉言い換える言葉
重ね重ね深く
くれぐれも十分に
重々よく
ますますもっと
どんどんたくさん
日々毎日
いよいよ一段と
次々立て続けに
近々近いうちに
たびたびよく

死や不幸を連想させる言葉

忌み言葉は死や不幸を連想させるため、遺族を傷つけてしまわないように、葬儀の場でも避けられています。

他にも、数字の「四」は「死」を、「九」は「苦」を連想させるため、避けるのがマナーです。

下記を参考に言い換えをしてみてください。

忌み言葉言い換え
死亡ご逝去
存命中生前は
急死突然のこと
再び今一度
引き続きこれからも
次に新たに 

喪主の挨拶のまとめ


喪主の挨拶は、葬儀社から渡された定番の例文メモを頼りにして頂いて問題ありません。

オリジナルの文章を考えなくても、例文を読み上げるだけで構いません。

人前で話すことが苦手な方は、例文を持って挨拶をおすすめします。

マイクを前にすると緊張しますが、ゆっくりと話せば、相手へ気持も伝わります。

また、喪主が挨拶を行わない場合は、代わりに挨拶をする人の隣に立ち、挨拶する方と一緒に参列者へ向かって一礼をしましょう。

故人との思い出話しやエピソードが参列者の心を打つ

お葬式に長く携わらせていただいた中で、私はこれまで数多くのご挨拶を聞く機会がありました。

こちらも思わず感極まる場面もたくさんありました。

亡くなった奥様との思い出をお話されるご主人が、思い出をたくさん言葉に詰まりながらも話されていたお姿には心を打たれます。

結婚当時の思い出の曲を流しながら、「また次の人生でも一緒だぞ」とマイクを通して亡奥様へお話された喪主様の姿は今でも印象に残っています。

通夜式・葬儀は深い悲しみの中での挨拶ではありますが、ご遺族にとって、その後の人生においても忘れられない思い出の一日にもなります。

人前で話すことで、「上手に話そう」、「社会人として恥ずかしくないように話そう」などの気持ちが働くのは自然なことですが、自然体で自分の言葉で話すというのもとても素敵なことです。

難しく考えずにありのまま、その時思ったことを自分の言葉で話すのも良いでしょう。

挨拶の中に入れておきたいポイントと、使ってはいけない言葉に注意して行ってみてください。

この記事を書いた人

廣田 篤  広島自宅葬儀社 代表

葬儀業界20年、厚生労働省技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。大手冠婚葬祭互助会で通算1,500件の葬儀を担当。家族の在宅介護がきっかけで広島自宅葬儀社を設立。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。

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