棺に入れるものは何がいい?NGなものやおすすめアイデアもご紹介

更新:2022.07.07

お葬式では、納棺の時や火葬前のお別れ時に、お花と一緒に思い出の品を棺へ入れる風習があります。

思い出の品は、故人と一緒に火葬されることになるため、『ぜひあの世に一緒に持って行って欲しい』という気持ちから用意するのが大切です。

一方で、どんなに想いが込められていても、棺へ入れるには不向きなものもあります。葬儀社の立場から詳しく解説させていただきます。

棺へ入れるものは「副葬品」と呼ばれる

故人と共に棺へ入れるものを「副葬品」と呼びます。

副葬品を棺に入れる風習は、世界各地でかなり古くから見られ、古墳や遺跡などの埋葬跡からは、たくさんの装飾品や芸術品が発掘されてきました。

火葬が主となる現代日本においても、例外ではありません。

例えば生前ゆかりの品や、残された人が想いを込めたもの等を入れるのが一般的です。

ただ気をつけるべきなのが、不向きな物もあるということ。

火葬される為、燃えにくいものや不燃物はNGですし、他の人が不快感を感じる物も向いていません。

用意したいと思うものが見つかったら、『これは火葬しても差し支えないだろうか?」と、ひとまず考えてみることが大切です。

棺に入れる品の例

棺に入れるのにふさわしい品、よく選ばれるのは、以下のようなものです。

実際に筆者が立ち会った葬儀において、良いアイデアと感じたものと共にお伝えします。

手紙

子どもや孫、友人が故人へ向けた手紙を書いて入れます。顔まわりや手元に置いてあげるのが一般的です。

お気に入りの服

生前気に入っていた服を、布団の上から掛けてあげます。

もっとも、『最後にはこれが着たい』と生前に希望があった服については、可能であれば納棺の時点で実際に着せてあげましょう。

ただし、体の硬直がうまくほぐれない、セレクトされた服がタートルネックなど着せるのが困難といった理由で、やむを得ず着せてあげられない可能性もあります。

お遍路の巡礼服、納経帳

四国八十八か所の霊場を巡り歩くことを『お遍路』といいます。

生前お遍路に行ったのであれば、巡礼のための白衣や納経帳が残されていると思われます。

もし見つかるようであれば、ぜひ用意してあげましょう。後ろに経文が書かれた立派な白衣を、『これを入れてやらなければ』と故人の足もとへ大事そうに納めるご遺族をたびたび拝見しました。

白衣は、納棺の時点で着せてあげるのもおすすめです。

小さめの菓子

好物を入れてあげたいと思ったら、スムーズな火葬のためにもなるべく小さなもの、水分を含まないものを選びましょう。

せんべい、クッキー、おまんじゅうなどが選ばれます。

本人の写真

生前、とくに本人が気に入っていた写真があれば、棺へ納めてあげましょう。

顔のあたりか、手元に置いてあげるのが一般的です。

家族写真

寂しくならないようにと生前、家族で写った写真を一緒に納めるのも良いでしょう。

制作した趣味の品

趣味の品も、よくある副葬品の一つです。絵や風景写真、パッチワーク作品といった燃えやすいものならそのまま棺に納められます。

大きな工芸品など燃えにくいものは、作品を撮影した写真を納めるのがおすすめです。

思い出の場所で買ったポストカード

配偶者や子供が『一緒に旅行したとき、楽しかったから』と、記念品として購入したポストカードを棺に納めることがあります。タペストリーなども同様です。

ゆかりの人々が折った折り紙

通夜の際に集まった人たちが、折り鶴や花など思い思いの折り紙作品を作り、棺へ納めます。色とりどりの折り紙が、華やかに故人の顔まわりを飾ります。

葬儀に集まった人たちが寄せ書きした色紙

『ありがとう」『あなたに会えて幸せでした」など、葬儀に参列した人たちが一言ずつ寄せ書きをした色紙を棺に納めます。

遺族が完成した色紙を見れば、生前たくさんの人の支えで生きてきたことが一目瞭然となります。

木製の遺骨ペンダント

先に故人の配偶者が亡くなっていたとき、供養品として遺骨ペンダントを購入している可能性があります。

遺骨ペンダントとは、ヘッド部分に遺灰を少しだけ中に込められるペンダントのことで、『配偶者の遺骨を肌身離さず持ち歩きたい』と願う人などが購入します。

もし、木製の遺骨ペンダントである場合は、ヘッドの部分をチェーンから外して入れてあげましょう。

紙カップに入れたお酒

お酒が好きだった方の場合、缶ビールや二号瓶のお酒はNGですが、紙コップにお酒を含ませ、ラップをして輪ゴムで止めれば、少量であれば許されます。

お酒が好きだった方におすすめです。

棺に入れてはいけない品の例

遺族が願う場合でも、棺に入れてはいけない品としては、以下のような物があります。

どうしてもそれでは困るという場合の代替え策と共にご紹介します。

眼鏡、入れ歯

生前に眼鏡を使っていた場合、『あの世でも持たせてやりたい」と眼鏡の納棺を希望する遺族がいますが、眼鏡は燃えないものなので、納められません。入れ歯も同様です。

もしどうしてもという場合には、骨壺や骨箱へ入れてあげましょう。

杖も金属製はNGです。葬儀社が用意する納棺の衣装の中に、木製の杖があるため、活用しましょう。

また、副葬品として木製の立派な杖が売られています。気になる人は、取り扱いがないか葬儀社に問い合わせてみるのがおすすめです。

ベルト、靴

気に入りの服装の一部として、ベルトや靴を入れてあげたいと希望する遺族がいらっしゃいますが、ベルトのバックルは金属製ですし、革製の靴にも貴金属の装飾品がついていることが多いため、NGとされます。

硬貨

土葬の時代に『六文銭」を『三途の川の渡し賃』として棺へ入れていた名残で、硬貨を入れてあげたいと希望するご遺族がいらっしゃいます。

しかし、硬貨は不燃物のため、原則的には棺に入れられません。

そこで六文銭が描かれた紙を、あらかじめ用意している葬儀社もあります。

本は『可燃物』ではありますが、分厚い本は意外と燃えにくいことをご存じでしょうか。

数ページだけセレクトして入れてあげるのであれば可とされます。

果物

果物は水分が多いため、スムーズな火葬を妨げます。どうしてもということであれば、果物を一口大に切って、ティッシュなどに包み、口元へ置いて差し上げましょう。

不特定多数の人が写っている写真

自分が写っている写真を火葬で燃やされることに『不謹慎だ」『不吉だ」と嫌悪感を表す方もいらっしゃいます。

どんなに想い出のシーンであっても、不特定多数の人が写っている写真を納めるのは控えた方が良い場合もあるのです。

事前に了解を得るなど相談をしてみるのが無難です。

釣り竿、ゴルフクラブ

趣味の品であっても、燃やすと有害物質が出てしまうようなものは納棺不可となります。

代わりにミニチュアの木製釣り竿や、木製ゴルフクラブが商品化されています。取り扱いがないか、葬儀社に尋ねてみましょう。

財布

革製の財布であっても、ワンポイントとして、あるいはファスナーとして金属が使われているケースが多いので注意が必要です。

大量の品

いくら可燃物であっても、大量であれば火葬の妨げになってしまいます。『写真を100枚」『絵画を50枚」などはやめましょう。

いつまでに準備が必要か

いつまでに品を準備する必要があるか。気になるところですが、これは葬儀の最後の献花の場面までに用意しましょう。

準備を行うのは、主に通夜式が始まるまでの空いた時間、あるいは通夜式が終わって、翌日の葬儀までの時間を活用することになります。

この準備の時間もきっと思い出に残る時間となるはずです。

誰が準備するのか

主に遺族が中心となって用意することになるはずです。この際に1人で用意するのと2人で用意するのとでは、労力も時間も違ってきます。

なるべく多くの方が参加する形で行うことが、労力軽減にも時間短縮にも繋がりますし、多くの方にとって思い出に残る時間となるでしょう。

例えば手紙を例で言えば、家族、親族だけに留まらず友人も参加した方が、より良い葬儀となります。

その場合、故人の友人に声をかけ、協力者を集うことをおすすめします。協力者が現れ、友人関係はお任せできる状態になるはずです。

準備したものを一箇所へ

せっかく時間をかけて準備したものが、いざという時に持参するのを忘れたなどとなっては困ります。予め保管場所を決めて、家族間で共有すると良いでしょう。

お盆や小箱、紙袋に入れて、一つにまとめておくのがおすすめです。

まとめ きちんと準備、悔いのないお別れを

きちんと準備しておかないと、終わった後に『あれも入れてあげれば良かった」などと後悔しがちです。

悔いの残らないようなお別れにしましょう。また、用意に一生懸命になりすぎて、肝心のお別れがじっくりできなくなるのもよくありません。副葬品やお花を納めながら、心の中で

この記事を書いた人

廣田 篤  広島自宅葬儀社 代表

葬儀業界20年、厚生労働省技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。大手冠婚葬祭互助会で通算1,500件の葬儀を担当。家族の在宅介護がきっかけで広島自宅葬儀社を設立。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。

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