遠方の親が亡くなったらどうする?逝去から葬儀後までわかりやすく解説
更新:2026.08.30
目次
遠方の親が危篤と連絡を受けたら:すぐにすべきことと持ち物
親の容態が急変したという知らせが届いたら、誰でも慌ててしまうものです。
まして、遠方にいるならなおさら「何を持っていけばいいのだろう」と、気持ちが混乱してしまうでしょう。
遠方に住んでいる場合は、移動の段取りを確認し、最低限の持ち物をリストアップしておくと安心です。
移動の段取り
①病院や親族からの指示を確認
まずは、病院や親族など、危篤の知らせをくれた方の指示を確認します。
「親の意識があるうちに顔を見に来てほしい」のか、「看取りと葬儀のために来てほしい」のかで、いるべき日数が変わってきます。
親がどのような状況で、自分がいつ頃までに到着すればいいのかを確認し、「何日間、家を空ける(仕事を抜ける)か」を判断します。
②自分がいない間、仕事や育児などを任せたい人に相談
直属の上司に親の危篤を伝え、休みの希望について相談します。
育児や義理の両親の介護があれば、自分がいない間に誰かへお願いしなければなりません。
配偶者や兄弟、事業者など、育児や介護を任せたい人に相談し、休みを調整します。
場合によっては、いったん自宅へ帰らなければならないタイミングがあるかもしれません。
③移動手段と宿泊先の確保
予定に合わせて飛行機や新幹線を手配します。
親のいる施設や病院が実家から離れている場合は、宿泊先も押さえましょう。
④持ち物の準備
看取りのために家を離れる人はとくに、喪服まで含めた用意が必要です。
以下の持ち物リストを参考にしてください。
遠方の親が危篤になったときの持ち物リスト
| カテゴリー | 持ち物 |
| 宿泊のための持ち物 | 着替え(2〜3日分)、常備薬、充電器、モバイルバッテリー、現金、化粧品 |
| 仕事のための持ち物 | ノートPC/タブレット、充電器、ポケットWi-Fi、会社への緊急連絡先リスト、必要な資料データ、簡単な文具(メモ帳・ペン) |
| 病院に持っていきたいもの | 飲み物、軽食、マスク、スリッパ |
| 葬儀のための持ち物 | 喪服一式、黒い靴・黒い靴下/ストッキング、数珠、香典(自分が喪主ではない場合)、黒いバッグ、黒いネクタイ、黒いハンカチ、印鑑(認印で可、自分が喪主の場合) |
「葬儀のための持ち物」は、葬儀社からレンタルできる場合があります。
また、現地で買い揃えることも可能です。
持ち物が多く負担になるようなら、現地で手配するという選択肢もあります。
後から家族に送ってもらえるよう、段ボールにまとめて家に置いておくのも良い方法です。
遠方にいるときに親が亡くなったら:まず何をすべきか
訃報を受けた直後は、深い悲しみと同時に「何から手をつければいいのか」と戸惑う人が多いものです。
まずは、病院や施設からの説明を落ち着いて聞き、搬送先を確認しましょう。
葬儀社が決まっておらず、また、すぐに決められないときは、病院や施設にいったん葬儀社を紹介してもらい「一時的な安置だけお願いしたい」と伝えることも可能です。
搬送先が決まったら、前章の段取りを参考に現地へ向かう準備をします。
到着時間がわかったら、家族や葬儀社に共有しておきます。
逝去から葬儀までの流れ
逝去から葬儀までの、一般的な流れは以下の通りです。
逝去→安置
病院や施設で亡くなり、葬儀社の安置施設や自宅へ搬送されます。
打ち合わせ
喪主は、葬儀社と葬儀のための打ち合わせを行います。
葬儀の日程、形式(仏教、神道、無宗教など)、場所、祭壇や棺の種類、料理や返礼品の種類などを決めます。
逝去から葬儀までの日数は、3~7日が一般的です。
遠方からの参列者が多い場合は、葬儀の日程に余裕を持たせる必要があります。
ただ、余裕を持たせすぎると宿泊費等がかさむため、見極めが大事です。
通夜
葬儀前日の17時~18時頃から、通夜が行われます。
近親者は、遅くともこの通夜へ間に合うよう到着するのがおすすめです。
葬儀、火葬
午前中に葬儀をして、火葬中に昼食として精進落とし(会食)を行うのが一般的ですが、火葬が先に行われる地域もあります。
「葬儀に間に合えば、最後に親の顔が見られる」と考えている人は、火葬が先か、葬儀が先かを念のため確認しましょう。
葬儀社との打ち合わせで気をつけたいこと
葬儀社との打ち合わせにおいては、喪主となる人と、喪主ではない人とでは、注意点が違います。
それぞれ紹介します。
喪主となる人が気をつけたいこと
喪主は、式の日程、形式、費用、参列者数など、多くの項目を短時間で決める必要があります。
遠方からの移動中に連絡を取らざるを得ない場面もあるでしょう。
不明点はその場で確認し、対面でなければ判断できないと感じたら「到着してから改めて相談させてください」と伝えて構いません。
よく分からないまま「急がなければ」と契約を進めると、後のトラブルにつながる可能性があります。
見積書は必ず書面で受け取りましょう。
兄弟がいる場合は、見積書を共有しながら相談すると、自分では気づけない点を指摘してもらえることがあります。
喪主ではない人が気をつけたいこと
葬儀社は基本的に喪主と打ち合わせをするため、他の兄弟は情報が不足しがちです。
喪服のレンタルが必要な場合は、自分から葬儀社のスタッフに話しかけ、お願いしましょう。
また、兄弟は「兄弟一同」あるいは個人名の名札をつけた供花や供物を贈るのが一般的です。
葬儀社から供花や供物のパンフレットをもらって、兄弟間で何を贈るか話し合いましょう。
できれば通夜に間に合うよう、早めに手配します。
葬儀後、現地で済ませておきたい手続きと確認事項
葬儀が終わると、気持ちがひと段落しますが、まだやるべきことが残っています。
とくに遠方の場合、以下を帰宅前に済ませておくと、後が楽になります。
・病院や施設への支払い
・葬儀社への精算
・ご近所への挨拶
・遺品の最低限の整理(故人が一人暮らしの場合は、とくに冷蔵庫の中)
・遺言書の有無の確認
・故人の年金関連手続き(国民年金は役所、厚生年金は年金事務所へ)
・故人の健康保険関連手続き(国民健康保険は役所、厚生年金保険は故人の勤務先へ)
なお、他に手続きを任せられる人がいない場合は、念のため以下の書類の原本やコピーを自宅へ持ち帰りましょう。
・親族名簿
・故人のマイナンバーカードのコピー
・故人の通帳
・電気、ガス、水道、インターネット、電話回線などの請求書・領収書
・故人のクレジットカード
・故人のスマホ
・死亡届のコピーを5部ほど
自宅へ戻ってから行う手続き
初七日を過ぎると、自宅へ戻る人も多いでしょう。
次に故人の自宅へ行くのは、四十九日法要のためでしょうか。
自宅へ戻ってからも、もし他に手続きを任せられる人がいない場合は、各種手続きをしなければなりません。
必要書類があれば、故人の自宅にいなくても手続きできることがほとんどです。
期限に気をつけながら、少しずつ進めていきましょう。
具体的な手続き内容と必要書類、期限については、以下の記事に詳しく掲載しています。
参考になれば幸いです。
親が亡くなったらすることリスト|期限の近い順に時系列でわかりやすく解説
遠方の家族を見送るために知っておきたいこと
親の死は、どれだけ覚悟していたつもりでも、いざその時が来ると心が追いつかないものです。
まして遠方に住んでいると、移動や手続きが重なり、気持ちの整理をする余裕がないまま時間だけが過ぎていきます。
それでも、流れを知っているだけで、慌ただしい中にも少しだけ落ち着きを取り戻せます。
現地でできることや、家族に任せられることを整理しながら、できる範囲で進めていきましょう。

この記事を書いた人
奥山 晶子
葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。













